2014年11月21日金曜日

やっぱり小ぶりなクルマが好きです♪

アウディS1:CG Web版より。
2013年秋、13年乗ったプジョー206の後釜にアウディもいいのではないかとディラーに出かけました。もう1年(とちょっと)前のことです。北海道美瑛町に移り住んで考えてみると、やはり4輪駆動車の魅力には抗えず、まもなく2年位なる愛車(今となってはもうすぐ3年です)BMWのFR駆動の雪道走破性もある程度理解できていたこともあって、4駆のアウディを見に行きました。
流れ的にはそうなのでしたが、何せアウディの4駆は高価です。それでアウディのもうひとつの魅力、ボディシルエット(デザイン)にも大いに魅せられていた車種A1に興味を持ちました。A1はアウディのラインナップ中もっとも小型(であるため価格も低め)。それで相手をして下さった営業さんに、A1の4駆(アウディの型番としてはS1)は出ないのか聞いてみました。すると、その頃から世界ラリー選手権で活躍著しくなっていたポロは実は中身はアウディA1であること、ただし現行市販車のサイズ的には、アウディの4駆(ハルデックス・タイプ)は収まりがつかないので無理だと言うことを聞かされました。となると一番お手頃な4駆のアウディはS3ですのでとても購入と言う具体的行動には現実味がなく、A1の美しいボディラインをしげしげと見ながらアウディは憧れの存在のまま時が流れました。

結局プジョー206の後釜に選んだ愛車はスバルになり、スバル車は以前にも乗っていたこともあって使い勝手のわかった愛車生活に十二分に満足していたわけですが、2014年の2月中旬に、収まらなかったはずの(じゃなかったの?)A1にハルデックス式の4輪駆動を押しこんでS1が本国ドイツでリリースなったことを知りました。
http://www.webcg.net/articles/-/30272
うーん、どうなっているんだろう・・・?もっともS1はマニュアル6速ミッションしか設定がなく(このあたりが営業さんの言っていたことなのかもしれません)オートマ全盛の日本では市販されないんじゃないかと言われていました。が、去る11月18日にマニュアル・ミッションの設定しかないまま日本でも販売開始になりました。
http://www.webcg.net/articles/-/31619

北海道で暮らしているとあまり意識しませんが、クルマのボディサイズの肥大が以前より気になっていました。クルマに求めることをあれこれと考えてみると、今の乗用車って大きすぎるんじゃないかな・・・?そう言うと、軽自動車があるじゃないか、と言われそうですね。けれども市販車の多くはいわゆる普通車と言うカテゴリーになり、その多くは4mを越える立派な体躯です。1993年1月に「道路運送車両の安全基準」が見直され、いわゆる衝突安全ボディが義務付けられました。以降肥大化は進み、もともとモデル刷新するたびに大型化する(それがセールス・ポイントにもなる)クルマ業界にあって、ついには先日発売されたマツダのボトムレンジ車“デミオ”も4mを越えるボディに成長(?)してしまったのです。
スバルでは北米市場の要望もあってどんどん肥大化した看板車種レガシーの一番の売れ筋ツーリングワゴンをカタログから落として、まったくの新車としてレヴォーグをサイズダウンして投入しました。ここにはニュー・レガシー・ツーリングワゴンでは成立しない日本の市場の力学(新型は「大きくなりました」がセールス・ポイント)が少なからず効いていると推察されます。
私もその例にもれず、クルマ選びを考える際に、一番たくさんの人が乗る場面を思い浮かべる(考慮する)ことは多いと思います。あの時もう一人乗れたら・・・!と思いだすことは、誰しもあることではないでしょうか。加えて荷物だって同様ですね。でも、その“あの時”は案外1年に1度か2度、もしかしたら2年に1回のことなのかもしれません。そんな特別な時には思い切ってタクシーを利用することも、事前に決まっていればレンタカーを用意することもあってもいいと思うのですが、やっぱり大きい方が便利とばかりに1995年当時に私が務めていた会社の駐車場はミニバン・ラッシュが起きていました。自分以外の人がどんなクルマを選ぼうがご自由ですが、ちょっとスーパーに買い物に行っても、あるいは行楽シーズンに出かけた旅先でも、溢れるミニバンは少々邪魔っ気です(ミニバンのオーナーさん、ごめんなさい)。さらに前述のクルマの肥大化で、どんなクルマもちょっとずつ大きくなっています。

なんだかミニバンはじめ大きなクルマの悪口ばっかり書いてしまいましたが、新型デミオのボディーサイズを知った時の驚きはありました(全長・全幅・全高は4060・1695・1500)。幅こそ5ナンバー枠ぎりぎりの1.7m未満に抑えましたが初代デミオ(1996年リリース)の全長は3800mm。大好きなマツダデザインには感心しつつ、大きくなったんだなぁーと。一方でアウディS1は4mを越えないコンパクトボディの持ち主です。加えて小型車はなんとなく大きなクルマに対する位置づけが難しいですよね。ケースによっては廉価車というレッテルもあり得る中で、アウディS1(A1)はとても上手くポジショニングしていると思います。
少し振り出しに戻って「これくらいのサイズで十分」と知った賢明なユーザーが、コンパクトで上質なクルマを走らせている様は、すごくお洒落だと思う。なかなかそういうクルマは見当たりません。一番お付き合いの長いスバルに至っては、一番小さなクルマがインプレッサ(トヨタからのOEM車、トレジアがあると言えばありますが)と大きなサイズです。ぐるりとも見渡してみると、個人的にストライクなクルマはアクアかなぁーと・・・。偶然にもアウディS1とほとんど同じサイズ。アクアはプリウスの小型版(兼廉価版)と思えてしまうけれども、剛性感あるボディに最新のハイブリッド・システムを積んでいます。廉価なのは事実かもしれないけれども、これで我慢しました的な生活臭は皆無。好きで乗ってます!と胸を張れる爽快なイメージでがいいと思うなぁ。

随分長く書いてしまいましたが、アウディS1の市販のニュースに触れて、あれこれ思い出すことを書いてみました。長い文面のお付き合いありがとうございました。

2014年10月28日火曜日

秋が美しいことを、あらためて思い知らされています。


美瑛にやって来て8回目の秋を過ごしています。わけもわからぬまま過ぎて行った2007年、そして仕事のピークを終えて静かな季節を迎える嬉しさが忘れられない2008年と9年。秋にもお客様にいらしていただいて、ちょっぴり忙しさも増えてきた2010年以降。
それでも夏のあわただしさに比較したら、景色を眺めてため息をつく時間は圧倒的に増えます。

それでこの2014年の秋、あまりにも美しい美瑛に心奪われる毎日です。今年の夏は全国的に、比較的マシな暑さだったと思います。美瑛は、そうですね、平年とあまり変わらなかったように思います。でも、十勝岳や旭岳の雪解けは早かったですね。アスパラの最盛期もかなり早くやって来ました(終わるのも早かったですね)。
方や初雪の便りは27日現在まだです(28日がその気配ありですが)。まぁそんな今年の気候の中、今年の秋は紅葉が(黄葉かな)、思いのほか鮮やかなんですよね。見とれてしまう。案外今までもそうだったのかもしれませんが、どういうわけか今年の秋色には目が奪われてばかりいるこの頃です。

カラマツが黄金色に輝きだすのに、あと5日ほどですが(すでにけっこう色付いてきましたが)、今綺麗なのは白樺です。畑には秋まき小麦の緑が映えて、その背景に白樺の黄色が燃えるよう。ホントに鮮烈なほどのインパクト。有名なあの丘や、例のあの木も確かに綺麗ではありますが、この秋何度も撮っているのは名もない丘や、名もない場所の光景です。
ここ数年、有名な木のある場所はトラブルが絶えずちょっとしたニュースにもなっています。つまり畑へ入ってしまう人がいるために、畑の(かつ木の)所有者が、とても困っている現実があります。重い腰を上げた町行政は、パトロール員の倍増(5人から10人へ)、さらにはボランティアによる巡視員を募集し、およそ20人が登録されました(そのうちの1人は僕でーす)。こういったトラブルに関しては、いずれここで思うところを記してみたいと思いますが、今日は美しい秋へ皆さんをご案内したいですね。

もっともどこの場所かを詳しくご説明するのは少々無理がありますので、せめて美しい画像を見ていただけたら・・・。
この煌めく秋の美しさは、カラマツがオレンジになるまでしばらく楽しめそうです。そうですね、あと2~3週間はいいんじゃないでしょうか。カラマツの葉がすっかり落ちる頃、美瑛は今年も真っ白い世界へと移り変わって行くことでしょう。

ついに標準域のレンズを手に入れました♪

そもそも長い間、標準域のレンズがないままにやり過ごしてきました。ある範囲でどうにかこうにかやってきたわけです。で、手持ちとしてあるレンズは広角側から
・17_40mm F4L。
・50mmマクロ F2.5。
・100mmマクロ F2.8。
・70_200mm F4L。
もともとは24-85mmのEFレンズを持っていました。けれどもこのレンズ、カメラを替えると共に、写りに不満が募るようになりました。それは周辺部が少し汚いのと、色のりがあっさりしすぎていたから・・・。上記の17-40mmを手に入れて以降はほとんど使わなくなり、新しくデジタル1眼を始める知人へ、無いよりははるかに便利と思ってプレゼントしてしまいました。

それで普段のレンズの使い方としては、17_40で短いときは70_200に替える。それで長すぎる時は50mmマクロに再度交換。それでもビミョーにうまく合わない場合は、自分が前に行ったり下がったり・・・、です。そもそも50mmという基本中の基本のレンズがマクロってところも何と言うか、無いなりに凌いでいるわけでありまして、合焦の遅さ含めて問題は山ほど・・・。
うーん、40~70mm(できれば25~75mmくらい)をカバーするレンズが欲しい!これはもうずっと(美瑛にやってきた2007年以降)思っていることで、あれこれ候補を挙げながら迷っていたことでした。候補と言うのは
キャノン純正品では
・24_105mm、F4L。
・24_70mm、F2.8LⅡ。まぁこれは価格的に「あこがれの」域を出ません。
・24_70mm、F4L。新しいレンズですね。
・20_105mm、F3.5_F5.6.これも最新のレンズ(現時点で発売前)。
シグマの
・24_105mm、F4DG。
・24_70mm、F2.8IFDG。
の何と6本。で、最終的に絞ったのはシグマの24_105F4DGと純正24_105F4Lの2本です。純正の安心感を取るか、シグマのハイクォリティ、ハイコストパフォーマンスを取るか・・・みたいなところで、それほどカメラのトラブルに自信のない僕としては、純正がいいかな・・・と言う気分ではありました。最長が70mmよりは、105まであると断然無理が効きます。トレードオフとしての画質低下をどこまで許容するか。そこで気になるのは24_70F4Lですが、マクロ機能つきでとても便利に仕立てられていて魅力的。ただし出た端でそれなりのお値段と言うところがひっかかります。

いちおう24_105F4Lに狙いを定めていたところ、ネット以外ではよく使うカメラのキタムラ旭川神楽店に中古が入ったのを見つけました。モノも良さそうなので見に行ってみると、やはりすごい傷と、ボディ装着側にキャップがないなど(購入するなら付けます、とのことでしたが)踏み切れません。で、お隣にあるのは最新の24_70F4Lのピッカピカの新古。えー、もう出ているの・・・?さらにはこのレンズ、キヤノンの気合の入り用は半端ではなく、来年早々まで3万円のキャッシュバックを新品にはしています。うーん・・・どうしたものか。24_105mmもいいけど、最新の20_70mmの方がキャッシュバック含めば随分安価。真新しい中古はさらに1万円安価・・・。
せっかく来たんだから試し取りをさせてもらうと、やはり24_70mmが、手振れ補正で1歩優れていることも判明!うーん、迷うなぁ。


一瞬迷いが晴れて、この出会いがしらの真新しい24_70mmの新古を購入することに・・・。カミさんからはいきなりで大いに呆れられる始末ではあったけれども、僕としては7年前からの積年の思いをやっと解消できることに。
帰路も「これで革新的な素晴らしい写真が撮れるの?」と揶揄されながら、大きな散財をしたのでこれも仕方がない・・・と思うことに。カミさんへはちょっとオシャレなカメラバッグを購入。

いずれにしてもいい写真が撮れることを祈りつつ(祈ってばかりいてもダメなことは判ってはいるつもりなんだけどな・・・)。

2014年5月20日火曜日

丘に溢れる薫風の輝き。

大変お待たせしてしまいましたが、5月の美瑛の丘の様子をご報告いたします。気がつけば4月初旬に丘紀行を記して、1か月半が過ぎ去ってしまいました。その間ご想像に難くないわけではありますが、例年通り丘は激変。まだたっぷり積もっていた雪がなくなり、来る日も来る日も農家さんの途切れない耕運が続き、秋まきの小麦ばかりではなくて、アスパラが芽を出し、ビートの苗が植えられ、春から初夏へと移る美瑛の丘=農家の作業場は、見るものを虜にせずにはおきません。

それにしても、丘に起伏があることで、耕運作業は何倍にも難易度が増し、水撒きの必要性・頻度共に増え(たぶん丘の上部と下部では水撒きの量的な差もあるのかもしれません)、そして一景観を愛でる身からすると、何十倍にも美しさは高まったように感じてしまいます。
以前にも紹介したことがあるかもしれませんが、実は町内会の活動の延長線でこの起伏ある丘で、耕運機を運転したことがあります。何がどうだと頭の中では理屈を積み上げてみるのですが、どうやったって耕運機はまっすぐに動いてくれません。ですので、丘を彩る縞模様はランダムとなり、美瑛の丘を特徴づけているあの端正で几帳面な平行線は、いつまでやっても描けませんでした。クルマに始まってリフトとかあれやこれやの運転好きではありますが、丘の斜面をずり落ちる耕運機を無理に戻すと坂を上るように動き、これはやり過ぎたと自戒した途端にまた坂を滑り落ちて行きます。
農家さんで知り合いの方にちょっと尋ねてみるも「あはは・・・」と言うばかりで秘伝の技を伝授してはもらえず、未だに丘の幾何学模様に敬意を表するしかありません。近くではなく遥か彼方のポイントを決めて、それに向かっていくのだとかのヒントをもらうも、作業してみればその通りに行かない
のが現実。結局のところ作業の効率を極めるうえで平行に耕運することがベストなのは紛れもなく、ただプロフェッショナルな仕事の現れ、に尽きるのかなぁと妙に悟る始末。
この広大な大地を短い春のうちにテンポよく作業する農家さんですが、ここ数週間は夜討ち朝駆けを文字通り実践中です。早朝5時前から作業を始める丘もあり、お天気次第では夜9時過ぎても耕運機が丘をライトアップしていることも・・・。こうやって美瑛の丘、即ち畑は美しい畝や耕運機の跡を刻まれ、そして夏から秋に向けてほとばしる美味しさを詰め込んだ野菜が生まれます。
厳冬期、のんびりした優しい表情で「しばれるねぇー」とスーパーで言葉を交わす奥様達も、今はちょっぴり真剣なまなざしで畑と向き合っていらっしゃいます。

美しい丘の景色は、雪が積もりはじめる11月中旬ごろまでその移り変わりが楽しめます。と同時に素晴らしい丘の恵み(美瑛産の野菜たち)もこれからアスパラを先頭に次々と満喫できる予定です。丘の景色に魅せられて美瑛に来た自分は、相変わらず丘の美しさのとりこになっているのと同時に、野菜の大ファンにもなってしまいました・・・。

世界初・・・が相変わらず踊る「新車のキャッチフレーズ」。

5月8日に、最大手(今や世界で一番の)トヨタ自動車が決算を報告しました。トヨタ創家の章男社長が総会に立ち、業績報告後の質疑にも応じた模様がニュースに出ていました。このニュース関連の記事で一番目を引いたのが、トヨタは利益目標を数字で表現しない(利益目標値を出さない)こと。章男社長の説明によれば、利益はあくまでもついてくる結果で、利益を数字的な目標にしてしまったら、その数字が場合によっては本末転倒な独り歩きになるからだと言う。つまりはやるべきことをやる、ということが目標で、その結果利益がこうなった、という順番を間違えたくないと言うことなのだと思いました。
ちなみに100年以上続く会社の比率と言うのは随分少ないそうで(どのくらいかはすっかり忘れてしまいましたが)、200年以上の会社はヨーロッパと日本にそのほとんどがあって絶対数は圧倒的に日本に残っていると聞き及んだことがあります。長く続くことが「正義」だとは言えないけれども、短期間で消えたり生まれたりするのも疲れてしまう。トヨタが利益目標を封印しているのと対照的に、日産のゴーン社長は数字一辺倒という趣で興味深いです。日本の会社はどうしても家族経営的な雰囲気があって、僕個人はそこは長所だと捉えてしまいます。欧米(特にアメリカ)に行くと、そこに大きく株主の存在が絡むようで、日本とは随分違うと感じてしまいます。欧米で会社経営をしたこともまったくない僕が言うのもおこがましいわけですが、日本において会社は誰のものか、と問えば、社長(経営者、あるいは経営に携わる人たち)、社員、もう少し広く顧客という視点があると思うけれども、アメリカでは最優先で株主と言うことになると思う。株主はその時々の配当に敏感なので「今」こたえが欲しいのだろうなとは理解しますが、経営者となれば3年後・5年後のことを考えないわけには行かないですし、社員だって5年後・10年後に会社がなくなって自分の働く場所が消えてしまうことを心配しないわけには行かないですから、どうしても視点には差が生まれてしまいます。株主の株を保持する理由にもよると思いますが、株主が簡単に社長をチェンジしてしまうアメリカにおいて、利益目標(=配当目標)は欠かせず、短期間で結果が求められる傾向は変わらないことでしょう。トヨタが利益目標値を掲げない、なんてことは絶好調の裏返しであると同時に、80年間脈々と豊田家を軸に会社をつないできた実績から、20年後・50年後のことさえ意識しながらのことなのかなぁなんて妄想しています。


とまぁあまり得意じゃない会社経営のお話しは時のニュースと言うことで、日産のニュー・カー“スカイライン”について気になる事を記しておきます。昨秋(10月だったと記憶しています)新車の発表があって、来春に販売する大幅な先行発表で少々気が抜けた感は否めませんが、新スカイラインにはまたしても「世界初」が搭載されていました。
その代表格がステアリング・バイ・ワイヤという技術で、簡単に言えばハンドル切ると切り角が電気的な信号になって送信され、モーターがまわってタイヤの操舵が行われる、というものです。つまりはベアリングやギアでハンドルとタイヤが繋がっているわけじゃなくて、テレビのゲーム機の付属品のようなハンドルと言えなくもない。
この技術の利点については数多く(精度や耐久性、重量減、コスト減、メンテの容易さ・・・)あるのだろうと察すると同時に、不都合なこともいっぱいあるような気がします。大きくは2つ気になっていて、ひとつはトラブル時の安全性。もうひとつはハンドルを切る際のリニア感欠如です。安全性については一概に言えませんが、機械的な従来のハンドルであればいっきに破損して制御不能になる事はほとんどないと推察されます。大クラッシュで壊れない限りは、壊れて行く兆候がフィードバックされる。ですから、あれ、なんか調子が良くないぞ、と気になる過程が必ずあるように思うのです。でも、ステアリング・バイ・ワイヤになったらある時突如として壊れて、急にハンドルが効かなくなる事だってあり得ます。怖いな、と思ってしまう。
と同時にもうひとつどうしても気になる点が、リニア感がなくなっちゃうことです。へこんだところにタイヤが通ればショックがキックバックして来る従来のメカニカルなハンドルと違い、電線を通じて電気信号で一方通行で操舵しているわけですから(厳密には双方向になっている模様)、悪路通ってもハンドルは全然反応しない(それがいいって言う人もいるにはいるでしょうけど)。無理に切ったハンドルが重くて、うーん、大丈夫かな・・・と思っていたら急に軽くなり、同時に前輪がスライドしていた、というリニア感。これってチューニング次第だと思うけれども、少なくともドリフトと同時に軽くなる、なんてことをシビアにチューニングすることは難しいんじゃないでしょうか。まぁそれ以前にこの巨漢(ついに全長4800mm、車重1800kg)をドリフトさせようなんて思うドライバーがいるはずもなく(いるのかな)、僕の話はハンドルのリニア感に纏わる極論ではありますが・・・。
もうちょっと現実的なこと書くと、新品のタイヤに変えてもハンドルのフィーリングは変化なし、ということ。けっこう減って来たからハンドル握ってても感覚曖昧だし、タイヤ変えなくちゃいけないな、なんて判断もできません。

そんなわけで、スポーティーな高級車とも言うべきスカイラインが、ハイブリッドになり(たぶん全グレードとも)ステアリング・バイ・ワイヤになるのを見て、運転好きの保守層に支持されるスカイラインがどうしちゃったのかなぁと感じた次第。
それが果てはゴーン社長の数値主義、株主のすぐに配当欲しいに繋がると見るのは、あまりにも乱暴すぎるでしょうか・・・?世界初の新技術を盛り込んで育まれて来たのがスカイラインじゃないか、とおっしゃるなかれ、誰がどう見たってスカイラインは保守本流のクルマです。

2014年4月30日水曜日

他愛もなく・・・(廃品回収業者とのやり取りにて)。

突然実家の電話(黒電話)がリリリリリーンと鳴り(まぁ電話っていつだって突然ですよね)、誰もいない実家で仕方なく(僕にかかってくるはずもない電話に)出てみると、廃品回収業者が訪ねたいと要件を伝えてきた。どうもこちらの氏素性と言うか何と言うかはほとんど把握できていない様子だけれども、35年前に新興住宅地だったこのあたりが20年前にはあくまでも地方の小都市ながらそこそこの住宅地になって知名度を上げた時期があったので、住所だけをあてにしたロール作戦的な飛び込み営業のようなものだったと思う。僕にしても少しずつ過ごす時間の少なくなるこの家に、残してはいるけれども持っていく予定のないものがあるので、時間を取り決めて受話器を置いた。
果たしてその翌々日の今日、業者の人間が訪ねてきた。衣類や本、フィルム・カメラやLPレコードを見せて欲しいと言う。実のところ彼は、骨董とは言わないまでもしかるべきメーカーのしかるべき高級品(腕時計とか)に一番フォーカスを当てたい様子だったのだが、僕(と家内)にその手の趣向はほぼないに等しい。それであらかじめ少し用意しておいた持ち物を見てもらうことにする。
◎衣類。
◎フィルム・カメラ(Canon Kissの初代版。レンズなし)。
◎LPレコードとEPレコード。
◎レコード再生用のターンテーブル(プレーヤー)。
衣類とカメラは引き取れないとあっさりパスされた。LPについてはクラッシック、ニューミュージック(これって死語かな・・・?)、ロック、歌謡曲とまぁまぁ代表的な、そしてもちろん古いものをチョイスしておいたところ、ロックにのみ興味を示し、概ねビートルズなどの作品(赤版&青版なんて言ってたから、そんなのマニア受けするはずないのに・・・と懐疑的ではあったのだけど)等のみが貨幣価値があると教えてくれた。実はビートルズは少し手持ちがあり、アビー・ロードには100円の値付けをされた。同じようにロッド・スチュワートとローリング・ストーンズにも同じ値段が付き、ロキシー・ミュージックは(かなり保存状態が良かったにもかかわらず)価値がない、ということになった。せっかくなので値段をつけると申し出た3アーティストの作品だけを合わせて20枚ほど見せてみたものの、いやもうこれで十分だと言って、500円だけ置いてお引き取りなった・・・。ビートルズのEP(ラヴ・ミー・ドゥ)にもターンテーブルにもあまり興味を持っていなかったようだ。

結局のところ価格は二の次で思い切って持ち物を整理したかった僕の思惑は外れ、数枚の(5枚の)LPだけが無くなり、500円が手元に残った。LPのレコード盤を少しずつ買い集めたのは、高校に入ってからだ。もちろん当時の僕にとってかなり高額品だったので、手に入れるためのいきさつ(たいていは涙ぐましい努力)や最初に針を落として聞いた瞬間の記憶など、どれも思い出深いものばかりだ。もちろんそれで未だに手放せない現実があるわけだけれども、一方で音楽をLP版で(ましてやEP版で)楽しもうと言う向きはどうなんだろう・・・?ファン・クラブに入って特定のアーティストの個人に若干でもかかわろうとするタイプでは全くない僕にとって、音楽はミュージシャンの作品として個人からは切り離された存在だ。あまり敬意を表されないことになるのを少しは危惧しながら言えば(書けば)、そのアーティストの人格がどうであっても、その音楽を好きになってしまうことはありそうだ。さらに現実的には、ミュージシャンの人となりなんてほとんど知らないままに、その作品としての音楽を楽しんでいる。
そんな僕にとって、ターンテーブルで聞く音楽と言うのはどうしても(どんなにその作品に傾倒していたとしても)、CD(あるいはDVDでもなんでもいいんだけど、とにかくデジタルのメディア)で聞くやり方に敵わないように思えてしまう。LPには(LPしかなかった当時に限定して)録音当時の息遣いが残るとか、CDもLP版の音源(たぶんマスター・テープ)からリ・マスタリングしているとか優位性(あるいは劣勢の少なさ)を懇切丁寧に説明されても、あの盤を裏返す行為だけでも面倒ではないだろうか・・・?ましてや曲順を替えたり(あるいは飛ばしたり)など、できようはずもないのだし。もちろん僕の知らない範囲で、僕の所望する機能を満たす機器は存在する可能性はある(たぶん現実にあるんじゃないかと思う)。でも、それは間違いなく非現実的な価格なのだし、それからもうひとつ(と言うか決定的なことなんだけれども)、誰でも知っている通りデジタルの方が音がいい。音の良しあしについて、決して神経質になるほどではない僕でさえ、やっぱりデジタルの音のクリアな感じは、LP版ではないものだと思う。

まぁそんなわけで、幸いにも(ひょっとしたら不幸にも・・・かな)LP版に対するセンチメンタルな想いはあまり持ち合わせていない。ちなみにビートルズとストーンズとロッド・スチュワートが同じ価値と言うのにはこれまた少し驚いた。ロキシー・ミュージックなんていかにもマニア受けするバンドだったし、ポップなロッドより価値はありそうに思えたんだけど、いらないと言われたのは意外だった。もちろん僕がこのジャンルの価格的な価値を少しでも理解しているかと言えば全くそうではないし、引き取って行った担当の方だって多少のズレ(とか個人的な趣味とか、会社の方針とか)もないことはないんじゃないのかな・・・。

それにしても、思春期に買い集めた音楽の趣味をあらためて眺めてみるのはとても興味深い。それは極論すれば古い日記帳のようなものなのだ。当時の今よりはるかに未完成な自分が、手に取るようによみがえって懐かしくも恥ずかしくも、儚くもある。自分で見ているからいいようなものの、あまり人に見てもらうようなものではないのかもしれない。
古い日記帳の一部であるのなら、たとえ5枚と言えどもやっぱり安易に手放してはいけなかったのだろうか・・・?

2014年4月29日火曜日

他愛もなく・・・(アリス・マンローを読みながら)。

超割り、という範疇の今までにない割安運賃でエア・チケットが入手できるように昨年あたりからなっていた。最寄りの旭川空港から中部空港まで行くのに、少し気軽になった。行きはフェリーで、帰りはANAの超割りでスケジュールを決めて、ひさしぶりの帰省を予定通りに過ごすつもりでいた・・・のだけれども、そうはいかない事情が、いつものようにと言いたくなるくらいに割り込んで来る。
仕方なく、行きの予定だけを変更すればどうにかなるようでもあり、カミさんに予定通りにフェリーで行ってもらって、僕だけエアで数日後に愛知県に向かうことにした。ところが、そのタイミングが移動の3週間前くらいになってしまったうと、思いのほかANAのエア・チケットはハードルの高い価格帯に鎮座していて、僕には少なからず高嶺の花といった具合だ。フェリーの乗船価格がほとんどいつ予約しても変わらないのに比べると、随分な違いだ。

結局ひとりで愛知県に向かうルートは、千歳からジェット・スター便を利用することにした。美瑛から旭川経由で札幌を越えて千歳空港に行くJRの代金(特急料金込みで4千円弱でどうにか入手可能)を足しても、旭川空港から出るANA便より随分安価に利用できる。
問題は(問題でもないんだけど)、搭乗前の制約(おもに時間的な)がけっこうあること。座席指定をしない(すると指定料がかかる)とか、最低限の手荷物しか持ち込まない(こちらも利用料を払えば解決する)とかは仕方ないとして、時間の制約はけっこう待たされることを覚悟しなくちゃいけない。少しタイトなダイヤで空港に行って、何らかのトラブルでJRが遅れようものなら、たちまち僕のフライト・チケットは無効になってしまう・・・。
そんなわけで僕は2時間少々も余裕をもって空港に到着し(こういう場合、まず間違いなく列車が遅れることはない)、あらかじめ決めておいた少しのお土産を手に入れた後、僕は多少なりとも待ち時間を持て余さないために空港内の本屋へ向かった。
いくつか気になる本をあれこれ手に取りながら、結局2冊を買うことにした。そのうちの1冊がアリス・マンローの短編集(帯によれば最新にして最後の短編集ということらしい)だ。マンローの本を読むのは初めてで、僕のわずかしかない予備知識は、2013年のノーベル文学賞作家だということくらいだった。ここ数年同文学賞は、村上春樹氏がイギリスのオッズでは掛け率最低で一番人気になっている。2012年もそうだったけれども、2013年はかなりの信ぴょう性で村上氏が同賞を受賞するとメディア各紙は伝えていたように記憶している。その村上氏を差し置いて受賞したマンロー女史は、短編の名手ということになっているらしいので、購入した「ディア・ライフ」をフライトの待ち時間に読む、というアイデアは、悪くはないと思われた。

僕はまだ1時間ちょっとある待ち時間に、最初の“日本に届く”を瞬く間に読み終えて、次の“アムンゼン”のストーリーを追っていた。60ページほど進んだあたりで、ふと空港内のアナウンスが気になった。それまでも仙台行きの、とか羽田行きのというアナウンスは聞くともなく聞いていたのだが、当然自分には関係ないし時間的にもまだ少し(これが長く感じる少し)はあるはずだということを、自分で言い聞かせてもいた。それでも本をちょっと集中して読んでいて、ふと目を上げてみると、携帯(ガラケーです)の時刻はフライト12分前になっているではないか・・・!あれ、何かおかしいぞ。周囲の人がゲートに並ぶ様子もなかったのに。そう思う僕の横を、係員の人が「名古屋行きをご利用の方は・・・お急ぎください」と駆け足に近い早足で、半分叫ぶように呼びかけながら通って行く。
そうだった!LCCのジェット・スターのゲートは、LCCに見合うべく(?)この出発ロビーの階ではなくて、1階上の3階に設けられていたのだ!!!エスカレーターを2段跳びで駆けあがり、ゲートに向かって可能な限り全力で走る。幸いアウトになるほどの時間ではない。息を切らしながらゲートを抜け、小走りで飛行機の中に駆け込んで、自分の席(18Fで窓際席だった)にもぐりこんだ。手前の小柄でブルネットの髪の女性にいったん立ち上がってもらいながら。やれやれ、マンローの短編小説が秀逸かどうかを語るほど僕は文学的な造詣は深くはないけれども、少なくともフライト時間を見失うほどのめり込んでいたのは間違いない。

フライト後、間もなく僕は浅い眠りに落ちてしまった。きっと搭乗間際の駆け足が効いていたのだとは思うが、眠りに落ちるとすぐにマンローのストーリーの中に僕はいた。主人公ではもちろんなくて、言ってみれば透明人間で声が出せないけれども、好きなアングル(樹上とか、水中とかでさえ行くことのできる場所)から展開を見てとれる立場だった。それは僕の頭がろくにないカナダの知識をかき集めた上に妄想を膨らませ、ちょっと不思議なカナダの田舎町で、もちろん登場人物もみなカナダ人(いわゆる白人)なのだ。さらには、彼ら(彼女ら)は、はっきりと僕にわかる英語で(意味も分かる英語で)話し合っていた。まぁそれは紛れもなく簡単な単語を手短に並べただけの、本当の英語とは全くの別の言語だったのは間違いないと思うけれども・・・。
ほどなく、僕はCAに起こされていた。倒れている座席の背もたれを定位置に戻すよう注意された。マンローの世界と現実の機内との狭間で頭をゆっくりまわしながら、着陸態勢に入りつつある機内の中で、1時間以上も時間寝てしまったんだな、と思った。僕が頭をまわすのをやめるのを待っていたかのように、隣(厳密には隣は空席だったので隣の隣、18D席)のブルネットの彼女が「スイマセン・・・、エート、トッキョニムカッテマスカ?」と尋ねてきた。何言ってんだこのお姉さんは、と横を見ると、ブルネットの彼女はマンローのストーリーさながらの白人なのだ。僕は精一杯の英語を駆使して、“No no, This plane will arrive at Nagoya, soon.”と答えると、彼女はいたく安心した表情になった。まだ20代前半と言った、幼ささえその表情には滲んでいた(ような気がした)。せっかくなので、日本はお好きかとか、どのくらい日本にいるのか、てなことも(あきらかにオジサンの悪趣味だと今では思うけれども)聞いてみた。真摯に受け答えしてくれる彼女だが、回答は必ずかなり解読に想像力を必要とする日本語で、そもそも僕の英語の質問は理解できにくそうではあった。多少日常で英語を使うことがないでもない僕としては、ちょっとへこんだかと言えばそうだったと思う。意を決して最後の質問、どこから来たの?を投げてみた。すると彼女はやっぱり日本語で「フランスデス」と言う。どうりで英語は今一つだったわけだ・・・、でもって彼女がフランス人形のようだったという点も、忘れることなく付記しておこうと思う。
さらにマンローの誘う世界が、現実と夢うつつとで交錯して、少しも移動時間を持て余すことなく実家に戻れたのは、紛れもなくマンローのおかげだ、ということももちろん付記すべきことだと思う。

2014年4月15日火曜日

美味しい美瑛はいかがですか?

やっと地場産のアスパラを目にするようになって来ました。まだハウスものです。懇意にしていただいている舟山農園さんの若に教えていただいたところ、今年も例年通りか少し早いくらいに露地ものも出て来るんじゃないかな、ということでした。嬉しい♪
アスパラは、ちょっと極端な表現をしちゃいますと、美瑛の(広く北海道の)春の収穫を最初にいただく象徴的な野菜ではないでしょうか・・・。何と言っても北海道らしいダイナミックな大きさと、春らしい優しい味わい。しかも紛れもなく最初に食卓に上がる春野菜です。揚げても、焼いても、炒めても美味しい優等生。お皿に鮮やかな緑を添える、アートのアイテムとしても重宝します。
そんなアスパラへの想いをカタチにしようと、宿の奥さんが集いあって「アスパラ召し上がれ企画」なるものを開催する運びとなりました。収穫体験のスケジュールがなかなか決まらないのでこの時期のお知らせになってしまいますが、楽しい企画です。
・宿泊した宿で、それぞれにアスパラ料理のお楽しみ。
・アスパラの収穫体験とアスパラのお土産付き。
  ※雨天の場合は、美瑛のJAにて選果場見学。
・丘をピクニック気分で歩いて、その名もピクニックのランチ付き。
  ※丘の散策は、あまり知られていない絶景コースをご一緒に♪
  ※美瑛町を走る路線バスにもちょっぴり乗って出かけましょう。
ざっと、こんな内容で、宿泊料金にプラス2,400円をいただくんだそうです。開催されるお宿は、「菜摘実の里」さん、「星の庵」さん、「ほおずき」さんと当館「四季」の4軒。先日この4軒のお上さんが集まって、コースの下調べと称して自分たちでピクニックを楽しんでいました。僕もランチのお届を本番さながらに担当しましたよ♪詳しくは下記まで。

http://bieisketches.blogspot.jp/


アスパラとはまた違いますが、先月から今月にかけて、あれこれ食材作りにも精を出しています。お味噌を作り、ジャムを作り、ソーセージを作り、チーズを作り(これは来月になってしまいますが)。
この「自家製へのこだわり」は多少の差はありますが美瑛のお宿のオーナーたちはみなさん意識していることだと感じます。コストのことや、手間のことや、あれこれ気になる部分もありますが、やっぱり美味しいですし、何と言っても材料全てを自分たちで地場から調達して作りますから安心です。私たちが作るちょっとしたあれこれは、たくさん出回っているいろいろな食材に比べたら、随分効率が悪いのは間違いありません。おまけにたぶん、余計なエネルギー(電気や燃料など)もかかっている可能性だって・・・。
そういったことをなるべくクリアして(効率をあげて)、自家製を続けて行きたいなぁと、この頃ますます感じています。食べることって、すごく不思議です。と言うか、食べることを知らな過ぎたんじゃないか、と考えるようになってしまう。そんなこと知らなくたって困らない(たぶん困らない)暮らしに慣れてしまったんだけれども、やっぱり知っている方がいいと言えばいい・・・。たとえば豚肉の塊を細切れにして、お塩と、数少ないスパイスを練ったものを腸詰にしたシンプルなソーセージの色・味わい・食感。うまく表現できませんが、ホッとする美味しさ、みたいなものがみなぎっています。

アスパラと自家製ソーセージのフィット感を。これまた自家製パンと一緒に・・・。僕が好きなことを、皆さんにも押し付けたいなぁ。

Heal the world.

どうでもいいこと、と言うよりも考えても仕方のないこと・・・でしょうか。もっともそんなことばっかり考えてしまうことってあると思います。今回はそんなお話しです(付き合い切れませんな、と言う方は無理なさらないで・・・)。

中学生の頃はチューリップを聞き(当時は揚水より好きでした、ちなみに今はどちらも好きです)、高校ではビートルズとR・ストーンズを聞き、その後D・ボウイを聞き、山下達郎を聞き、GONTITIを聞き、ヨーヨー・マを聞いているうちに、年末の紅白歌合戦に出場している歌手のほとんどがわからなくなっていました。美瑛に来てからビル・エバンスやパット・メセニーを聞いている僕ですが、突然見つけたYoutubeのコニー・タルボ(タルボット)が気になって、あれこれ聞いているうちにいいなと思った曲が“Heal the world”。なーんか聞いたことあるぞと探したら、マイケル・ジャクソンの名曲だったんですね。しかも何枚か購入した彼のCDのひとつ、デンジャラスにしっかり入っていて、以前にもお気に入りの曲でした。

この曲がリリースされたのは1992年(録音は1991年)ですから、もう20年以上も前になります。うっかりこの曲のことを忘れてしまっていました。マイケル・ジャクソンは2009年に50歳で夭折。まぁ何と言うか、ただ年を老いてく自分を改めて感じてしまいますね。さて、ここからあれこれと感じることがあるわけですが、まず昨年末か今年のはじめに評論家の桜井よし子氏が、今度の東京オリンピック(2020年開催予定)の頃、世界はどうなっているかという質問に対して自身の考えを語っていました。けっこうな分量だったのですが、記憶に残ったことの一つとして、アメリカがどんどん内政の方に軸足を移し、世界の警察役から距離を置くようになるだろうこと、でした。その分は、大国として頭角を現して来ている中国が担う(つもりでもある)と予想されると・・・。ここで中国がどう出て来るか、その時(あるいはそれ以前に)日本はどうかじ取りしているべきか、ということが本来は重要なのですが、そこは詳しい方にお任せして、アメリカの方に目を移します。桜井氏の説明の中にオバマ大統領の出自に関する部分もあり、これは良家の出身だとかどうとかということではなくて、今まで弱者だった層からの出身者である、ということ。弱者に基盤のあるオバマ大統領は、当然の流れとしてシリアやクリミアではなくて内政(例えばオバマ・ケアみたいな政策)にリソースを重点的に注ぎ込んで行くだろうと言うわけです。
今まではアメリカと仲よくし過ぎると、厄介な戦争にもつき合わされるからほどほどに・・・なんて言っていたのも過去の話で、今は逆にアメリカの方が僕をあんまりアテにしないでくれ、自分のことに時間もお金も使いたいんだ、と言うことになって来ています。

そんなオバマ大統領の政治スタンスは、ポップ界では20年以上も前からマイケル・ジャクソンが歌い上げていたことに、あらためてびっくりしてしまったのです。そんなの1963年にギター1本でボブ・ディランがやってたじゃないか(風に吹かれて、で)と、言うことなかれ。ディランとマイケルでは、出自が違うのです。
大成功を収めた音楽界のアーティストたちは、例えばジョン・レノンでもそうですが、イマジンみたいな作品の中で今も凶弾に苦しむ人がいる世の中に警鐘を鳴らしていますが、マイケル・ジャクソンのようなもともと弱者(貧困層とも言えるかもしれないですね)出身のスーパー・スターもやっぱり同じ世界感で曲を書いている。お金も名声も手に入れて、結局ここに行きつくのは、ある意味とても真っ当なステップなのかもしれません。ただ、マイケル・ジャクソンのこの曲とここ1年くらいの内にどんどんアメリカが市民の基本的な生活の質の向上に向かっていることとが、どうしても無関係ではないような気がするのです。

それは翻って見れば、いずれ中国にもやってくる場面(成熟の過程)なのかもしれません。国民生活やインフラ、周辺地域への緊張をある面犠牲に軍や宇宙開発に莫大な国家予算を使う今の中国ですが、案外遠くない時期に、そんなことやっている場合じゃないぞ、もっと市民の現実的な生活を直視しようじゃないか、ということになる(かもしれません)。もっとも中国はアメリカほどの多民族国家ではないでしょうから、いずれにしても最初はディランの登場となるわけですが、チベット自治区出身者がHeal the worldのような世界感で発信し始める時が来たら、大きな潮流の変化の兆しになると思うのです。

で、それがどうした、と言われると、冒頭に書いた通りどうもこうも何もないんですけどね・・・。あ、ひとつ付け加えておこうと思いますのは、当館「四季」は小さな宿で、自身のホームページ以外にPR媒体がありません。それでも、そんな当館におよそ2割の方が香港や台湾からいらっしゃいます。こう大雑把にしたら叱られるかもしれませんが、アジアのお客様が20%くらい。少しずつですがいわゆる本土の上海や青島や深センの方も増えて来ています。皆さん大の日本好き。そしてたぶん日本人好きです(ですから日本に旅行で来てくれるわけですよね)。海外の方と接する機会って、普段では考えられないくらいに、自分が日本人だと意識する瞬間です。
自分が日本人だと言うことは、これはどうにもこうにも曲げられない事実で、その自分のお国である日本のことを気に入っていただくのは、気持ちのいいことです。せめて当館のおもてなしで「あんまり日本もよろしくないな」と思われるのではなくて、ますます日本好きになってもらえるように接することが自分に課されている、と考えます。

2014年4月4日金曜日

美瑛の丘、最新情報。

ここのところ、丘の様子を書いていませんでした。ホントは一番書きたかったことなのに、1か月半くらいも脱線続きで失礼しました。

美瑛は春がやっと到来する気配があちこちに感じられ始めています。道路の雪は概ねなくなりました。これは、例年通りの几帳面な除雪作業のたまもので、道路じゃない地面には、まだたっぷり(日当たりの良しあしで異なりますが、20~50cmほどでしょうか)雪が残っています。
一番気になる丘(=畑)はと言いますと、こちらは一番春らしさが感じられる様相です。融雪剤を撒いた畑は、その融雪剤の散布された縞模様部分だけ地面が現れて、これはこれでアートに感じなくもありません。地面には秋まき小麦の芽がそのまま顔を出して、緑色が見えるケースも・・・。また多くの畑では、雪解けを待ちきれないかのように耕作の作業が始まることでしょう。丘の景色がドラスティックに変化する季節です。
一方で丘でもない道路でもない部分にも、春らしい兆候がたくさん見られます。代表的なところではネコヤナギの花と、フキノトウ、福寿草の花。それからひなたぼっこに興じるキタキツネたち。キツネやリスのような小動物は、冬はよく見かけます。えーと冬に多いと言うことではなくて、たぶん見つけやすいんじゃないかな、と思っています。春が本格的になると芽が吹き、枝が伸び、若葉が大きくなって、だんだん小動物を見つけるのが難しくなります。冬は枯葉もすべて散って一面の白銀の世界になると、彼らの隠れ場所もなくなってしまいます。

丘をのんびり歩く楽しさは、旅行者ではなくても多くの人が大好きではないでしょうか。本格的な雪解けが待ちきれなくて、お仲間と丘歩き20kmコースを満喫してきたカミさんが言うには「楽しかったー!」とか。雪に閉ざされて除雪の行き届かない道路も、おおむね通行可能になりました。冬の間は野生動物専用路(?)だった道も、いよいよ開放です。
今回は美瑛13線までバスで行き、三沢を横切って千代田の丘へ。ここでPicnicさんのテイクアウトランチを4個と、家で淹れたコーヒーを届けるのが僕の役目で、千代田の展望台でお昼タイム。がんばって拓真館、四季彩の丘、美馬牛小学校へと足を伸ばして、最後はJRで美瑛駅まで帰ってくる欲張りコースだったみたいです。いつも4月は雪解けの水で美瑛全体が水たまりだらけになってしまう様子があんまり好きではなかったのですが、少し丘に足を伸ばせば気持ち良くて、見どころもいっぱい。また大好きな美瑛を見つけてしまった・・・!

春を実感するてくてく丘のお散歩シーズンは、始まったばかり。しばらくするとカタクリやミズバショウも花を咲かせます♪

2014年4月3日木曜日

コピーって、奥が深い・・・!

この1か月ほどあれこれお誘いがあって、これと言った取り柄もないままにあちこちの「場」に出かけています。そんな時、よく出て来るお話しが「今度、こんなことやろうと思うんだけど、何かいいキャッチ・フレーズみたいなの、ないかなぁー」というもの。
現実問題として、やることの中身にはある程度自信があるのだけれど、それをわかってもらうための工夫ができない、とまぁそんな展開です。ゴールデン・ウィークに差し掛かるまで、美瑛の農家も僕ら観光業に携わる人間も時間がありますから、1年間思いためたあれこれの中から、何か始めたいってのがあって、でもそれを広く世の中に知ってもらうための適切なPRコピーが思いつかないというわけです。
そう言えば、自分自身の宿のホームページにもあれこれと宣伝めいたことを書いているわけで、あらためてキャッチ・コピーと言うことに思いを馳せてみました。そもそも僕は語彙が充実しているとは言えませんし、増してや気の利いたキャッチ・コピーとなると腰が引けると言うのがホンネです。

ところで僕が最初にキャッチ・コピーとして認識した一文は西武百貨店の「おいしい生活」でした。ふーんと・・・。でも、なぜか記憶には強く残りました。それからもリゲインの「24時間戦えますか」やJR東海の「そうだ、京都行こう」とか、すごく短いフレーズで、モノやコトの本質を見事に切り取って見せる素晴らしいコピーって確かにたくさんありました。それで、そうだ、京都行こうじゃなくて、コピーの本読んでみようと、僕的にはありがちな展開に進みます。
え、どんな本読んだらいいんだ・・・?元来PRの世界に身を置いたことのない僕にとって、キャッチ・コピーを考える(またはそのよし悪しについて判断してみる)経験がありませんから、尺度(僕自身のモノサシ)がありません。モノサシがないから、仮にキャッチ・コピーを思いついたとしても、それが良いものなのか、ダメなのか、あるいはふつう程度なのかもわからない・・・。で、2冊本を買いました。

そのうちの1冊が谷山雅計氏の著による「広告コピーってこう書くんだ!読本」。この本読んだらもう何というか目からうろこが何枚も落ちた雰囲気。最初の「何となくいいね、禁止」あたりは、そうかそうか、わかるよーってな具合で行ったんですが、だんだん息が切れて来て、真ん中くらいから、その奥の深さに溺れっぱなしに・・・。いやぁー、コピーって深いです。駅からすごく遠いところの住宅地が売れるようなコピーを考えよう、というお題があって、例として
・よく来たな、実感・いい友。
・こんなに遠いんだから、駅が出来ないわけがない。
の2つがありました。どちらがいいかはわかる人にはわかるわけですが、僕はダメな方に行っちゃう。いわゆるコピー考える人の落ちやすい穴に落ちちゃうんですね。

それからさらに、コピーに触れた瞬間「そんなの知ってるよ」と「え、わかんない」と「そう言えばそうだね」の3つのリアクションで、最後の「そう言えばそうだね」と感じてもらえるものがコピーと言うこと・・・。普遍的に出回って新鮮味のないものではないし、ごく一部の天才にしかわからないものでもなくて、あーそうそう、そう言われてみればそうだそうだ!と代弁してあげちゃうフレーズが真のキャッチ・コピー。なるほど、と。

あー、なんだか自分のホームページの文章、ぜーんぶ洗いざらい直したくなってきました。もっともそう簡単に気の利いたコピーで彩ることが出来ないことも思い知った素晴らしい本!Amazonでレビュー見てびっくり。なんと40もレビューがあって、アヴェレージが4.8。いやはや、納得です・・・。

2014年4月2日水曜日

紙の手帳を使っています。

新しい年度です。4月、いい響きですね。5月も好きだな・・・。巷では桜も満開で、なーんて季節でしょうけれども、北海道美瑛町ではそうは行きません。まだ雪の中(けっこう融けて来ましたよー)。その雪の中ではありますが、とにかく新年度が始まりました。自営業と言う職業に就いてから、新年度という概念は若干インパクトに欠けては来たものの、それでも何がしかの影響はあります。

それで記しておきたいことのひとつが、手帳のことです。携帯で何でも出来ちゃう時代になりましたが、実は(そんなこと知ってるって!の突っ込みはなしね)携帯は苦手。もちろんガラケーで(ガラケーの意味ってただ古いって感じです、僕にとっては)、携帯メールもしない(できないに近いかも)。どうしてやらない(できない)かと言えば、そこまでしてやりたくないという気分が優先していると思います。スマートにスマート・フォン使いこなしている人は、僕にとっては遠い人かなぁ。
残るのはPCですが、PCはノートでも何でもメモ取るにはあんまりいい道具とは言えない気がしています。まず大袈裟ですし、さっと取り出してすぐ使える機動力がない(随分早くなりましたが、立ち上がりが遅い)。そして何より場所や相手を選びますよね。軽快にキーを叩くのも、場合によっては良くないことだってあります。つまりいつでもこれひとつで済ますことはできない時点で、手帳の担い手としては落っこちちゃう。
で、紙ベースの手帳ですが、これ、まことにもって使い勝手がいい。
・サイズがいい。
・書いて行って埋まる実感がいい(埋めるの好きじゃないですけどね)。
・記憶にも残りやすい(これはPCに対して大きなアドバンテージ)。
長年(30年以上)使い慣れているって言うのも大きな理由(僕にとって使い勝手のいい理由)であることは間違いありませんが、飽きっぽくて新し物好きの僕が今もって愛用している数少ない生活必需品(?)のような気がしますね。

なんだか、新年度に記しておくのに手帳ってのもいまひとつ関連無い気がしてしまいますが、実は手帳で必須のアイテムが、その年度のカレンダーが記載されたリフィルです。だいたい年末頃から文具店や小ジャレたショップで手帳が出回り始めますが、このカレンダーの手帳(システム手帳)用のリフィルは、新年度スタートのものが圧倒的に多いですね。このカレンダー部分にあれこれ予定を埋めて行くわけですが、リフィルが気に入ったレイアウトでデザインがいいと、とにかく気分がいいんですよね。
なんだか手帳にかなり思い入れているような雰囲気ですが、ここからがケチなお話し。実はシステム手帳用のリフィルって、けっこういい値段します。相当シンプルな物でも500円くらいは平気でしちゃう。ちょっと気に入ったものにこだわると、800円とか1,000円の大台に届いちゃう。1年に1度のことだから(1日あたりにしたら2~3円程度なんだから)と、計算して仕方ないか、とは思えない(うーん、けち臭い)。
ちなみに手帳キャリアも長くなるので例年の傾向のようなものは感じておりまして、年度末になると20%オフとかの気の利いた(売る側も残っても仕方ないでしょうから)プライス・タグを付けたりしますが、何しろここは北海道の片田舎ですから、そんな出来事には遭遇しません。
でもって、システムじゃない使いっきりの手帳は、これが案外安価になってきている。使いっきりの手帳は古くなった(つまり使い終わった)手帳をどうするか(処分するかしないか、処分するならどうするか)が気になっちゃって、やっぱりシステム手帳タイプが好きなわけですが、ぎりぎり待っても安売りに遭遇しないし、ネットで探してもあんまりいいもの見つけられないし(やっぱり現物見て、になってしまう)、そもそも価格に納得できていないし(けっこう執拗に書いてますね)、と思っていたら、なんとネットでダウンロードして自分で印刷するものを見つけました。もちろん実物版で見ることが出来て、かなりの種類の中から選べちゃう。しかも、色合いのチョイスも可能と言うわけで、少々びっくりしてしまいました。今年度は、こちらのダウンロード版を使ってみることにしたわけです。
http://pdc.u1m.biz/?cat=6

さて、この自分で印刷版の難点は、自分でシステム手帳の規格通りのサイズに切ることと、孔を開けないといけないこと。昔どういうわけか専用の穴あけ器を購入していたのでそれを使いましたが、いくつかの大きさに対応できるタイプで、それは即ちちょっとした工夫(というか寸法合せ)しなくちゃいけないタイプ。孔は6個所あるので、ずれないようにきっちり開けるためには多少のテクと、几帳面さが必要です(3個ずつ開けるんですけどね)。えんやこら、と穴開けながら、こんなことやっているもんだからリフィルの売れ行きも伸びないんだろうなぁーとか、そもそも紙の手帳使ってる人っているにはいるけど減ってるよなぁーとか、ネットってなんでもあるなぁーとか、それこそどーでもいいことばかりが頭をよぎる中、無事に12か月分の手帳用リフィルが用意できました♪

2014年3月26日水曜日

春を待ちながら、美味しいケーキに思いを馳せて・・・。

裏庭の雪を、片付け始めた昨日。さすがに腕・肩・腰共にけっこうな筋肉痛が襲い(たぶん明日にはもっとひどくなる予感)、この季節特有のちょっと不思議なあわただしさに包まれています。北海道では春の訪れは4月下旬(あたりではないでしょうか?)。とは言うものの、3月に入ると日は長くなり、雪が融けはじめ、春の予感はあちこちに見つけることができます。そうなると春恋しい気持ちの強い北海道の人たちは、せっせと準備を始めるんです。その一番典型的なものは、敷地内の除雪ではないでしょうか・・・。あと2~3週間も待っていれば自然に無くなってしまうのですが、それさえ待ちきれない。別に邪魔と言うわけでもない場所でさえも、傍目からしてみたら「敵(かたき)」のように除雪に余念がない・・・。大きな声じゃ言えませんが(って力いっぱい書いちゃっていますが)、僕自身は雪景色の美しさは大好きなので、正直雪融けはちょっぴり名残惜しい気分。まぁここはよそ者の僕と、北海道育ちの方との感じ方のギャップは埋められませんし、ましてや生業として農業をやっていらっしゃる方からしてみれば、農作物の出来栄えに大きく左右するわけですから「雪景色が好きです」なんて、のん気なことは言っていられない・・・。

さて、そんな雪解けの進む美瑛は、現在積雪67cm(気象庁データ。3月26日午前3時現在)。ピーク時101cmありまたから、おおむね3分の2まで無くなって来ました。僕が当館「四季」の周囲の雪を片付けているのは、雪がイヤってことは全然なくて、敷地内の春の準備を少しずつ始めたいからです。花壇に花を植えたり、物置小屋に除雪用の道具を仕舞い、自転車を引っ張り出したり、そうそう、今度の冬のために少し薪割りもやっておこうかな。何かとぼんやり暮らしている僕も、この時期ちょっぴり気ぜわしくなるのです。

気ぜわしさにもうひとつ加担して、ちょっぴりお菓子のお勉強を始めたい、と思い立ったこの春。もっともその気持ちは昨年の秋から抱いていました。いつしか当館でお出しするお料理の最後のデザートが、何となく定番化してきたこの頃。季節感を取り入れながら、その時々にこの地で獲れたフルーツを使いながら作る焼き菓子に、自分としては納得できていたつもりでした。
きっかけは1本の映画、晩秋に札幌のシアター・キノで見た「大統領の料理人」でした。次々にスクリーンを彩るお料理とケーキの数々は、もちろん食すことはできないのですが、見るからに!美味しそう。そこには料理(やケーキ)で、出来うる限りの感動を提供しようと言う強い意志が込められていました。僕にとって料理って、感動を得るための何かだろうか・・・?そう考えてみても、明快な解は無いような気がしますが、目の前にあんなに美味しそうな料理やケーキが出て来たら、難しいこと抜きにとっても嬉しいに違いありません。当館「四季」の料理やケーキは、オーナーの自分たちからしてみたら一番の「個性」にしたい部分(いわゆる当館をお選びいただく、大きなファクターのひとつ)ですが、ホンネを言ってしまうと、押し付けでもあります。美味しさの押し付け、いいでしょ(と、自画自賛)。美瑛(はじめ、この道央地区)で獲れる野菜や果物を、ぜひ美味しく召し上がっていただきたい。そのためにこんなお料理とお菓子をご用意しました、さぁお召し上がりください!と、言葉にしたらそんな感じ。ご予約下さった方にお送りするご案内の末尾に、いつも“お腹を空かせてお出で下さい”と書いてしまう私たちは、やっぱり食いしん坊なんでしょうね。

えーとちょっと脱線した気がしないでもありませんが、この1年、お菓子作りの基本に向き合ってみようと考えています。実は美瑛や旭川にいくつかお菓子作りの教室がありまして、ちょっと行ってみたいな、と思う気持ちもあります。でも、その前に基本的なことをもう一度・・・。たとえばホィップやメレンゲの泡立てだって、どこがベストなのかわかっていない気がするんです。この場合はちょっとしっかり目に泡立てて・・・と意識してはいますが、しっかり目ってどこまでだろう?
そんなあれこれがいくつか納得できるようになったら、バリエーションを増やしてみたい。食事の最後にお出しする焼き菓子や冷菓が、そんなにたくさん食べていただけるはずもありませんが、できれば種類が多い方が嬉しいですよね。あれこれちょっぴりづつ。季節感を大事にしながら美味しく、綺麗に。美味しいものって理屈抜きで嬉しいんだ♪これを押し付けないなんて、当館「四季」じゃないですよね!

2014年3月2日日曜日

素晴らしかった、ソチ・オリンピック・・・。



ソチ・オリンピックで総合4位でメダル獲得ならなかった、女子ジャンプの高梨沙羅選手が、ワールドカップ第14戦(ルーマニア)で優勝して今季11勝目を挙げ、昨年に続いて総合優勝に輝きました。
http://topics.jp.msn.com/sports/general/article.aspx?articleid=3507203
まだ5戦残して、ということらしいけれども、14戦中11戦で優勝し、3位までに入らなかったことが1度もない高梨選手が、オリンピックではメダルに届かなかった。数字的な確率からしたら、まず起こりえないくらいに不思議とでも言ったらいいかもしれない領域ではないでしょうか・・・?

4年に1度のオリンピックが、ソチで開幕したのは2月6日。熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられて、23日に閉幕しました。このオリンピックで色々と思わされたことがあるので、個人的なメモとして書き残しておきたいと思います。

【大会前の過熱報道に感じること
冒頭に書いた高梨選手と、女子フィギア・スケートの浅田真央選手は、メディアの大会前にすでにメダリスト扱いだったと言ってもいいくらいです。メディアの宿命は話題性のクローズ・アップですから、実績や人気や調子などなどから、半分は作り話をしてしまう。
一方でメディアから情報を得る読者(僕も含めて)は、その真偽を判断する材料もさしてないままに、程度の差こそあっても期待を膨らませてしまいます。そして実際に競技が始まり、残酷にも(?)現実としての結果が出ると、今度はまたメディアのメディアらしい分析が並びます。
あおるメディアとあおられる読者の狭間で、選手たちはどういった状況に置かれるのでしょう・・・?一面では、プレッシャーは糧になるとも。日の丸を背負わされた選手からしてみれば、個人差はもちろんあれど案外慣れっこなのかもしれないし、そうではないかもしれないし。こればっかりは選手にしかわかりませんよね。ところがメダルと言うわかりやすい結果から推察すると、意外にも注目をそれほど集めていなかった実力者たちが順当に、あるいはそれまでの実績以上の結果を残しています。竹内智香選手なんかは、そんな例かもしれないですよね。
そんなわけで、メディアの注目度はやっぱり行き過ぎていたんじゃないかと思えてなりません。選手の競技スタイルやライバル選手の紹介にとどまらず、選手のプライベートの奥深くにまで踏み込んだ報道が、けして選手にとっていいわけではないことは明らかです。そうまでして選手の私生活を引っ張り出してくる実情は、見る側にも自制が必要かもしれませんね。

【竹田恒泰氏のつぶやき
これはインサイドで出回れば良かったのになぁーと。確かに竹田氏のつぶやきは一理ある、と個人的には感じました。ここ数年の夏・冬のオリンピックメダリストたちが、メダルを噛んで写真に写ることに違和感がありましたし、惨敗後に「いい経験できました」も何か勘違いしているような気がしないでもない。ただ、それは広く世論に流れ出て来るものではなくて、選手(とその関係者)に届けばいい類の内容です。
たくさんのつぶやきの中には、少々上から目線過ぎて鼻に着く内容のものもありました。竹田氏にしてみれば、誰かが言わねば、という気持ちもあったのかもしれません。まぁ起きてしまったことにあれこれ言うのも、安易と言えば安易ですけれども・・・。

【オリンピックと言う祭典は、素晴らしかったけれども・・・
日本人として、日本の選手の活躍ぶりが手に取るように伝わって来て、とてもいいオリンピックでした。また、日本選手にとどまらず、各国のアスリートたちのそれぞれの競技も素晴らしく、技やスピードや美しさを堪能しました。この点について、メディアの果たしてくれたことを、率直に評価したい気持ちです。
一方でちょっとやり過ぎではないのか、と思えてならないのが、感動の押し売りのような展開です。選手はその競技にすべてを賭けて、オリンピックに臨んでいることでしょう。でも、それは他の選手もそうですし、選手じゃなくても人間皆同じです。誰しも人生を賭してそれぞれの暮らしに対峙していると思うのです。曲りなりにも、僕だってそうです。そして比較にならないほど小さな世界ではあるけれども、時に挫折感を味わい、あるいは感激し、嬉しくて涙することだってあるわけです。それを無視して、どうだオリンピック選手のこの人生、この生き様、この立ち居振る舞いに、感動・感激したくてしょうがないんじゃない?と執拗に迫られても、ちょっと引いてしまう。

18日間のオリンピックは終わり、祭りの後のような惜別感が残りました。また4年後、今度はどんな競技を見ることができるのでしょうか。大好きな選手のプライベートを密かに追う、ということが憧れ的にあってもいいのかもしれませんが、スポーツの祭典の見どころは、あくまでも競技そのものだと思いました。

2014年3月1日土曜日

富良野線のありがたさを感じながら・・・


クルマが好きで、運転が好き。そんな僕ですからJRに興味がないかと言うと、実は鉄道の旅も大好き。駅って何とも不思議な空間で、ここからいろんなところに繋がっているかと思うと、わくわくしちゃう。空港も大好き・・・。

あと、2か月ちょっとでJR北海道の江差線が廃線になる事が決まっていて、我が町美瑛を行く富良野線のことが気になってしまいました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E5%B7%AE%E7%B7%9A
それにしても北海道の鉄道の歴史は、炭鉱ラッシュとでも言えばいいのでしょうか、往時の路線図からどんどん目減りし、さらに廃線化していくさまが、あまりにも強烈です。いつのものかわかりませんが、全盛期、2004年、現在(2014年)の路線図を見ると、スカスカになって行くのがわかります。
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/006/487/46/1/116523042215626946.jpg
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/006/487/46/1/116523898015612932.jpg
http://www.jrhokkaido.co.jp/network/barrier/maptop.html
1968年(昭和43年)に当時の国鉄諮問委員会が提出したいわゆる赤字83線が、その後どんどん廃線化され(江差線もその一つですけど)、あるいは民営化された後に廃線化されて現在に至る様子は、特に北海道で顕著だと思います。

現在のJR北海道を語る場合に、大きなふたつの出来事が挙げられます。ひとつは国鉄からの民営化です。1987年に6分割+貨物で7つのJRに分けられたうちのひとつJR北海道は、たっぷり(と言えるかどうかはビミョーですが)の持参金(経営安定化基金)とともに民営化されました。しかし、そもそも利用者数と経費から割り出される経営指数は、たちどころにほころびが出てしまう。
ひとつの例として根室本線池田駅から北見駅までを結ぶ、いわゆるふるさと銀河鉄道は、年間利用者200万人を超えていた網走本線時代とはうってかわり、2003年には50万人を切ってしまいます。途中鈴木宗雄衆議院議員の名前も出てきたりしながら2006年に廃線。結局利用者数激減の波はいかんともしがたく、路線バスへと使命を譲る運命をたどりました。
もうひとつのJR北海道のターニングポイントと言うと、2011年5月の石勝線におけるスーパーおおぞらの火災事故。これはJR北海道の民営化スタートの行く末に、起こるべくして起こった人災なのかもしれません。事故はJR北海道の体質に依るひとつの現象ですから(まぁ氷山の一角みたいな)、次々に事故は続いてしまう。果ては安全管理のためのデータ改ざん、元社長の自殺にまで発展。国土交通省も異例の3度の改善命令を発令します。

こんな変遷の末に、最近目にするのは、JR北海道を批判する世論です。存続自体を否定する論点は、安全を確保できない経営体質なんだから、もう止めろと・・・。函館まで新幹線が乗り入れることが決まっていますが(最終的には札幌を越えて旭川まで、ということらしいですが)、新幹線の運営をJR北海道に任せられるのか?という意見も。僕の目にする限り、一個人の、しかもテクニカルな分野に精通しているような人ではない人の短絡な視点に見えますが、シンプルに考えたら事故ばかりの路線を放置できないって言うのもわからないではありません。2012年の日平均利用者数一桁の駅が、およそ400あるうちの118駅もある北海道・・・(ちなみに美瑛駅は240人で、全北海道中113位)。

トンネルのない富良野線を行くJRの横を、国道237号線が並走しています。国道にはバスが運行されている。したがって、廃線に伴い、バスへの切り替え準備が出来ている、とも取れますが、現状はJR、路線バスとも採算に乗れていない(どちらか辞めたら乗るかは知る術もありませんが)。
富良野盆地をとことこと行く富良野線、そして厳冬の真っ白い世界を粉雪飛ばして走る富良野線。どちらも北海道の(そしてこの上川地方の)素晴らしい景観であると共に、地域住民のなくてはならない生活インフラ。都会(札幌とか新潟を除く)から比較すれば、こんな雪国で、冬は止まっているときの方が多いだろう、なんて危惧される意見もありますが、僕の知る限り富良野線が雪で運行を止めるなんてことはありません。いつまで富良野線が走り続けることができるのか、値上げするのか、補てんするのか、本数さらに減らすのか、ノロッコやめるか(夏季に営業する展望列車)、旭川空港まで乗り入れて活路を見出すのか、その合わせ技か、やっぱり廃線しかないのか。

便利で大好きなクルマを運転することが多いけれども、それでも年間10往復以上美瑛・旭川間を利用する僕にとって、できることなら富良野線は存続させていただきたい。乗れば、その利用者はほとんど学生(高校生)と高齢者。
一番の解決策は、利用者の増加なのだとは思う。現実に、あくまでも主観でしかないけれども、旭川市は住みやすい街。医療(国立の大学病院、ほかに総合病院2院)、文化、学校、交通(旭川空港、函館本線)、そして北海道の食。ここに移り住むまで恐れていた真冬の寒さと雪だって、1度暮らしてしまったら全然苦にならない。むしろ本州の真冬の寒さ(家の中)と、真夏の暑さに比べたらはるかに快適なレベル。このあたり、うまく発信しきれていない。

少しずつ少しずつ過疎化が進む北海道の小さな街を結ぶJR富良野線が、消えてなくならないことを期待したい。部外者(ここに(広くは北海道に))住んだこともない人たちから表面的な批判をされてしまうのも仕方がないのかもしれないが、合理的に変えて行くことだけが住みよい街づくりになる一つの答えではないはずだ。

2014年2月13日木曜日

風が止んで、空が晴れて。

どんよりして、雪が舞う日の多かった冬の初め。そして季節は厳冬へと移り変わって行きます。冬の厳しさが増す2月、晴れた日も多くなる美瑛です。
2012年に新築した小さなコテージが、最新の設計&施工でできているのに、水道管が凍結してしまった8日の朝。この日の最低気温は、今季で一番下がって氷点下28.1℃。愛知県に暮らしていた頃には想像もつかない気温でしたが、ここに住んでいると毎年1、2回はめぐって来ます。
そして、こんな寒い日の朝は、決まってびっくりするほどの美しい景色が美瑛にはたくさん溢れています。

いつの間にか出かける場所が決まってしまうのも事実で、どうしても自分が好きな場所に足が向くのですが、持ち前の飽きっぽさも手伝ってうろうろと・・・。すると、とても運のいいことが起きることもあります(逆のこともないわけじゃないですけど)。
12日の朝、お客様をご案内して四季彩の丘から美馬牛へ抜ける小道。北側の景色があんまり綺麗なのでクルマを停めました。そこには先にクルマを停めて写真を撮っている人が何組かいて、皆さんこの絶景に足を止めたんだな・・・とファインダーを覗いていると、
「あのー、こっちも綺麗ですよ」
という見知らぬおじさんが声をかけてくれました。こっちって南側でさして素晴らしい景色も見えないよなぁーときょとんとしていると、
「足跡の付いているところまで行くんですよ」
と教えてくださいます。そこは畑じゃないの?と心配になって聞くと
「大丈夫、電信柱までは畑じゃありませんよ」
と、いかにも地元の人らしい説明で、わかりやすく教えてくれました。なるほど、5~6m先まで伸びた人の足跡は、電信柱の下で止まっています。ちょっぴり安心して足跡をたどって行くと、今まで写真でしか見たことのなかった綺麗な美馬牛小学校の姿が雪原の中に現れました。

塔のある小学校で有名なここは、あちこちに立て看板が目立ちます。そのほとんどは、ここは小学校なので生徒以外の方は入らないでほしい、小学生のプライベートを切り取るような写真は撮らないでこと!というものです。
美瑛は美しい景観が魅力の場所で、写真目当ての人もたくさん訪れます。そのほとんどの人が節度あるマナーで自分だけの写真を楽しんでいらっしゃるように思うのですが、ごく一部の方の心無い振る舞いが、写真家の肩身を狭くするようなことに繋がっています。自分だけの写真、自分だけの構図、自分だけの・・・がエスカレートするのでしょう。その気持ちは農家の個人所有であるはずの畑に無断で侵入したり、ここのような小学校にも踏み入ってしまう・・・。

ここ数年、美瑛の写真家のマナーの悪さがマスコミにも出て来るようになり、迷惑を被る農家の真意も紹介されるようになりました。小学校の素晴らしい光景を目の前にしながら、こうしてさりげなく写真を撮る場所を教えてくださる地元の人に感謝しながら、何枚かのシャッターを切りました。僕自身の数少ない印象ですが、美瑛の写真撮影マナーは、少しずつですが良くなっているように感じます。年間140万人もの観光客が訪れる美瑛です。これだけ多くの方がいらっしゃるのは、美瑛がそれだけの魅力を持っているからに違いありません。願わくば、美瑛好きの多くの方が、気持ちよく過ごしていただけるように、最低限のマナー、ルールを守っていただけたらと思います。

それにしても・・・、美瑛ってどこに行ってもカメラ持った人がいて、ちょっとびっくりしますね。写真撮らない人から見たら、鼻につくかもしれません。そういう僕もカメラ持ってうろうろしています・・・。

2014年2月9日日曜日

STIと130ⅰと・・・。


我が家にやってきたスバルの愛車を500kmほど乗ったところですので、印象を記しておこうと思います。もちろん主観でしかないわけですが、主に以前乗っていた同じ車種の同タイプ(2002年製)と、現在愛車として乗っているBMW130ⅰとの比較を軸にすることになります。

あらためてやってきたスバルWRX_STIの諸元表を眺めてみると
全長・全幅・全高は4415・1795・1475
で、もっとも気になるのは全幅の1795です。もう1800mmに届こうかというこの全幅は、正直狭い路地や市街地のパーキングで少々神経質になってしまう大きさです。以前乗っていた2002年のスバル・インプレッサWRX_STIは
全長・全幅・全高は4405・1730・1425
で、幅方向へのサイズアップが顕著です。ちなみにBMW130ⅰは
全長・全幅・全高は4240・1750・1415
と、比較的似たサイズながらやっぱり幅が気になる所です。
どうしてサイズのことをこと細かく書き始めてしまったかと言いますと、このクルマ、運転中(特に少し速度をあげて「飛ばしている時」)には幅を含めてサイズの大きさをあまり感じさせません。それでも実際には1795mmの幅があるわけで、不用意にインを詰め過ぎてしまうとあらぬことになちゃうわけでして、ここは要注意点のひとつかなと・・・。

ほかにも思うところをあれこれと備忘録的に残しておきます。

【パッケージ】
5ドアハッチバックとして、十分な居住空間と荷室を有していると思います。これはより長いホィールベースを持つBMW130と比較しても随分秀逸で、特に荷台の広さは重宝しそうです。BMWはロングノーズが影響して、クルマのサイズの割には荷室は大きくありません。

【パワートレーン】
4WD:素晴らしいスタビリティで雪道も安心。
エンジン:スムーズでパワフル。低回転で少し非力かな。
サスペンション:固い。もっとしなやかな設定希望。
6速ミッション:軽くカチカチっと決まります。
4駆の絶大な安定感は、素晴らしいロード・ホールディングを供し、テカテカのブラック・アイスバーンのような路面でも、それほど緊張感を伴わずに走破できます。これは今までの愛車プジョー206(FF)でも絶対ありえなかった領域で、北国ではありがたい限りですね。クラッチを切った時以外は、4駆の絶大な安心感が得られます。
次にエンジンですが、大馬力(308PS)は雪道で持て余すかな・・・と思っていましたが、むしろ程よいパワー感。気になるのは低回転域でのトルクの細さです。うっかり2速発進したら、あっという間にエンストしました。これはBMWの3Lエンジンの余裕に比べると遥かに頼りない感じ。ただし、2L4気筒ながら回転上昇は滑らかで軽快です。BMWの6気筒は、もう少し緻密で重厚感伴いながらの回転上昇。滑らかさ、トルクの付き、精緻なフィールはBMWに軍配。一方で軽快感、回転上昇に伴うトルクの厚み、端的なレスポンスはSTIに分があります。好きかどうかで言うと、これは甲乙つけがたい個性。スバルの方がメカで持ってっちゃう感じで、BMWはあくまで自然な手触り(エンジンを触るってのもヘンですが)を大切にしているように思えます。2Lでここまでチューニングしているスバルは、大したものだなぁと感心してしまいます。
スバル308PSに対してBMWは265PS、どちらも余りあるパワーの持ち主です。で、車重もほとんど一緒。であればスバルの動力性能が1枚上手かと言うとこれまたほとんど似たようなレベルです。数字には表れない3Lの実力って侮れませんね。
最後にサスペンションについて。これはBMWが優勢です。固い印象が強いスバルに対して、固いながらもしなやかな懐深さのあるBMWの乗り心地はとても上質です。加えてFRレイアウトの醸す、後ろから押し出す力加減が、さらに高級感を演出しています。限界域でより踏ん張るのはスバルかもしれませんが、限界に近づくリニア感もBMWの方が掴みやすそうです。スバルのセッティングはメカニカルな工夫で、絶対的な限界領域を高めていますが、BMWは限界に至るプロセスをより的確にフィードバックする方に重点を置いているように思いました。サスペンションに関してはBMWの方が好みです。

【ハンドリング】
BMW、スバルともに少々アンダーにしつけられているようです。スバルはフェイントかけた雪道で、どうにかリアを振ることができますが、基本的にリアが滑り出すことはありませんね。たぶんいざって時にはフロントが先に逃げて行く(膨らんで行く)設定だと思います。慣れていないせいもあって、リアを無理やり滑らせると、一発でカウンターが決まりません。何というのか、いつ・どのタイミングで当てたカウンターを戻すのか、今ひとつわかんない。これはお尻でつかめる部分と、ハンドルを通して手首で感じる部分とがあると思いますが、ハンドルのフィードバックがあんまり情報量豊富じゃないのです。
BMWはリアの滑り出しがすごくスムーズ。ほんの少しスバルより長めのホィールベースも貢献しているのでしょう、カウンターも当て・戻しともにいつ操作したらいいのか把握しやすいです。これはスタビリティで軍配の上がるスバルが、BMWに敵わない点だと思います。僕自身の慣れも、まだまだってこともありますかね・・・。
ちなみに両車とも、シンメトリーで重量配分にも気を使っていて(BMWはフロント:リアを50:50にするのが社是)、さらには低重心に造られていて(特にスバルは)、とても安心感のあるハンドリングだと感じます。

【外観とインテリア】
・外観は、BMWがスマート。
・内装はどっちもどっちかな。
・細かい「使いやすさ」はスバルやや有利。
ボディシルエットは、BMWが秀逸だと思います。ちょっと存在感あり過ぎのフロント・マスクはさておき、ラインの流れが自然で綺麗です。キドニーグリルが好きだとも思いませんが、うまくデザインしていると感じます。リア・ウィンドウに雪が付着するのはスバルもBMWも似た感じでいまひとつですが、プジョー206はこの点秀逸でした。プジョーもシルエットの美しさは13年たっても全然古さを感じさせませんでした。そこへ行くとスバルは今一歩ではないでしょうか。あくまでも居住性や荷室の確保等が先にあって、それにデザインを合わせたとでも言えばいいのかな。欧州車はデザインが先にありきだと思えるほどに、ボディーラインが綺麗で美しいと思います。今回スバルの対抗馬として気にしていたアウディ(A3)も、やはり洗練されたデザインが印象的でした。
室内の雰囲気は、BMWがシックにまとめられているのに対して、スバルは無骨です。機能性優先で、デザインをあまり重視しているとは思えません(もちろんインパネ周りもデザイナーが苦心して成り立っているのでしょうけれども)。国産車ではホンダのインパネが比較的カッコいいと感じます。スバルはもう少し欧州車の粋なインパネ周辺のデザインを参考にしたらいいのになぁ・・・。スバルのインパネで致命的なのは、薄暮の時にスモール点灯後、インパネが暗くなって全然見えないことです。夜間照度が高いと疲れますが、いくらなんでも暗過ぎです。おまけに赤の透過色もせめてオレンヂとかブルーとかグリーンとかだったらいいのに!もの入れやカップホルダーは満足度高いのですが(日本人ってこっちの優先順位が高いのでしょうか?)、車内で飲んだり食べたりしない僕にとって、カップホルダーはあまり高得点をあげられそうにありません。あと、ハッチゲートの開閉のやりやすさもスバルはいいですね。軽くタッチするだけで、すんなりと開きます。
ちなみにBMWの落ち着いたインパネの雰囲気は好きですが、純正のナビはどうにもいただけません。インパネは使い勝手も悪くありませんが、渾身の(?)ナビについては画面も小さくて操作もしづらく感じます。なんだか、ケチつけまくりですね、両車とも。

【結論的に】
実はドイツにおけるBMW130ⅰとスバルWRX_STIはほぼ同価。ドイツに住んでいたらどっちを選ぶかなぁと考えると、BMWが一歩秀でているように感じています。ここ、日本では新車価格にけっこうな差額があるので(でもスバルも高額車になりましたけどねー)、チョイスは迷うところではないでしょうか。実はスバルはWRX_STIのベンチマークにBMWの特別チューン車M3を持っています。さすがBMW!と思うと同時に、いつかBMWのベンチマークがスバルになったらいいなぁとも思いますね。
僕にとって、スバルは国産唯一のプレミアム・ブランド。僕を含めた多くの人から、ちょっと(あくまでもちょっと)憧れのカー・メーカーであって欲しい気持ちです。この点BMWはすでにブランドを確立していると言えるのではないでしょうか。実際にそれは、乗り味(乗り心地ではなくて、あくまで「味」)にも表れているような気がしました。がんばれ、スバル。もうちょっとだぞ!
でもそのもうちょっとが大きな差ですよね。リーマン・ショックの時点で、スバルの株式をGMから全面的に受け持ったトヨタ(1995年当時)が、その後スバルの軽自動車生産にストップをかけました(現在ダイハツからスバルにOEM供給中)。トヨタ86(スバルはBRZ)の共同開発&生産やトヨタ車ラクティスのスバルへのOEM供給(スバルブランドでは、トレジア)など、トヨタの影響が少しずつ進むスバルですが、トヨタはスバルらしさについてけっこう容認(ひょっとしたら支持)しているように思えます。
スバルはサーブ社とのSUV共同開発を模索したり、初期型のスィフトをジャスティ名でスズキからOEM供給受けたり、さらに古くは日産、いすずともお付き合いがあったりと、はた目からは苦労の多い企業でした。そのスバルも現時点でトヨタに株式を保持してもらいつつ、過去最高収益を更新中。レオーネが看板車種だった時代は遠く過去のものとなり、現在はレガシー、インプレッサ、BRZ、そして間もなくリリースなるレヴォーグなど日本のメーカーとしてはグンと車種を絞って、文字通りプレミアム。ブランドに向けてかじ取りを行っているように見えます。あんまり手の届かないような高級ブランドになって欲しくないとは思うものの、クルマ好きの愛する、憧れのクルマを作り続けるプレミアム・ブランドとして成功して欲しいと願います。

2014年2月8日土曜日

ダイヤモンドダストの朝

北国、美瑛に暮らしていて、冬の日の楽しみのひとつがダイヤモンドダストとの出会いです。ほかにも彩雲でしたり、暈でしたり、真っ青な空と白銀の丘も綺麗で見とれてしまうものがたくさんありますが、ダイヤモンドダストもすごく綺麗なんですよね。
でもって、このダイヤモンドダスト、いくつか条件が重ならないと見えません。空気中の水分が気温の低さで析出して氷の小さな粒になって見える現象ですから、まず第一条件は気温がグンと下がっていること。氷点下15℃以下ですと見えやすいように思います。ただ、単純に気温が下がればいいかと言うとそれだけではダメで、見えやすい朝方(7時から9時くらい)に最低気温のピークを迎えるような日は、特によく出ます。深夜にものすごく冷えて、朝に少しずつ温度が上がってきて氷点下15℃になるよりも、深夜は氷点下10℃くらいで、朝に氷点下15℃~20℃になってくれたら抜群の好条件だと言えそうです。
次の条件は無風であること。これは絶対で、風のある日はもしかしたら出ているのかもしれませんが、日の光に輝くような現象にはなりません(現実に肉眼では見えない)。
そしてもうひとつ、日の光が燦々と降り注いでいること。
こんな条件が重なると、まず間違いなくダイヤモンドダストが舞います。何もない雪の積もった晴れた日の朝、静かに舞うダイヤモンドダストは神秘的ですらあります。太陽が昇ったばかりですと、光がオレンヂ色なので、ダストもオレンヂ色を主に、いろいろな色の光を反射してとても綺麗です。日が高くなってくると陽光が白色になるので、ダストの煌めきも白色になってしまいます。
このダイヤモンドダスト、うまく出てくれるのは12月下旬から3月初旬(気温が下がらないといけませんからねー)の週に1、2回ってところでしょうか。頻繁に出てくれるわけではないので、出会った時の嬉しさもひとしおです。

さて、せっかく出会えたダイヤモンドダストを、どんな風に写真に収めたらいいのでしょう。これまた多少の技術が必要で、僕自身試行錯誤している最中です。少なくとも200mm(フルサイズで)程度の長めのレンズがいるように思います。
ダイヤモンドダストが出ることがどちらかと言うと珍しいですし、写真の腕もままならないわけで、これを写真に収めるとなると、相当ラッキーが重ならないと実現しません。僕は2年越しで狙っていたんですが、今年はほんの少し運が良くて、なんとなくそれらしい写真を撮ることができました。それでも巷に出ている写真集の1ページを飾るような作品は、とても撮ることができません。この冬は、まだ何度かチャンスがあることでしょう。ぜひもう少し美しいダイヤモンドダストの写真をカメラで捕まえたいものです。

2014年2月6日木曜日

もう一度、インプレッサに乗ります。


プジョー206の後釜に、インプレッサWRX_STI(実際にはインプレッサではなく、独立してWRXになったんですね)を迎えることにしました。今回の車種選び(あるいは選ばなくて現状維持)の難しかったこと・・・。実際には楽しい悩みのはずなのに、けっこう苦労してしまいました。
ここのところ巷はエコ・カー全盛で、僕の好きな気持ちよく走ることのできるクルマは何と言うか、アウト・サイダーっぽい存在なのかもしれません。それでも探せば意外にあるもので、びっくり。次々と候補車が浮かんでしまい、頭の中の整理が大変でした。

そもそも何ゆえクルマを刷新しようと考えたのかと言えば、この時期のお客様の送迎(あるいは厳冬期の丘のご案内)に現愛車が不向きだと思い知らされたことが原因です。2年前にやってきたBMWの1は素晴らしい走行フィールで快適ですが、リア駆動の悲しさから、雪道ではけして走破性に優れるとは言えません。白金街道で4輪とも滑ってコントロールを失ったことがあり、運よく対向車が無かったので立て直せましたが、場合によったらと思うとヒヤッとしてしまいます。FFのプジョーはその点随分マシではありますが、短いホィールベースゆえの不安定さは否めず(基本的にショート・ホィールベースが好きな僕ですけど)、おまけに運転席側のドアの閉まり具合が若干悪くなって来ていて、ごくたまに走行中に警報が出てしまうことがあります(開きはしませんが、ストライカーからは外れてしまう)。
12月下旬、プジョーでお客様を白金温泉にご案内する走行中に、ドアの開いたウォーニングが点灯してクルマを道路わきに停めました。いったんドアを閉めなおして再び運転しましたが、ちょっと良くないなぁーと・・・。さらにお客様をお送りし終えたその帰り、脇から出ようとしたニッサン・デュアリスが待ってくれていたのでそのまま行くも、すぐに追いつかれてがんばってコーナーを抜けるもハーフ・スピン。対向車もあったのでうまく当たらないようにかわしましたが、何事もなかったようにデュアリスが抜いて行った時には、行きと帰りの出来事に、いよいよ考えるべき時だと思い知らされました。

プジョーは2001年12月に私たちのもとにやってきて、ついに13年目。走行距離は14万1千kmを越えました。美瑛に来るまで、僕はインプレッサWRX_STIに乗り、カミさんは、このプジョーに乗っていたのですが、移住に際してクルマを1台にまとめようと決心し、より売却価格が高かった(1年ほど新しかった)インプレッサを手放した経緯がありました。
それからプジョーは極寒の北海道で7年間を共にし、とてもがんばってくれたクルマです。その一方でインプレッサとのお別れはとても心残りがあり、大好きな愛車を手放さなければいけなかった2007年3月の、忘れられない出来事でした。
先月下旬のあの日、プジョーの後釜候補を真剣に考えるようになった時、インプレッサも頭の片隅にはありましたが、たくさんの候補車に埋もれていたのも事実です。と言うのも、車格(とサイズ)的に、BMWと被らないよりコンパクトな(プジョー206に近い)クルマを優先的に考えていたからだと思います。試乗したクルマも含めて
・スズキ_スィフトスポーツ。→試乗しました。
・アウディA1とA3。→A3に試乗しました。
・フォルクス_ワーゲン ポロGTI。
・プジョー208GT(GTⅰ)。→GTⅰに試乗しました。
などなど・・・。しかしどれも決定打に欠け(トランクがあまりにも狭い(スイフト)とか、2ドア(プジョー)とか、ミッションがマニュアルじゃない(アウディとポロ)とか・・・)、どうしたものかと考えた結果やっぱり4WDの方が望ましいとなり、さらには駐車スペースが無いわけじゃないので、もうちょっとだけ大きいサイズにも候補を広げてみることにした結果
・スバルXV。→試乗しました。
・スバルインプレッサWRX_STI。
・アウディA3クワトロS(ちょっとお値段高めですよね)。
・ボルボV40クロスカントリー(これもお値段がねぇ)。
の4車が残った次第です。この中でアウディが一番優等生的ではあるものの、ワクワク感がない(上品すぎて、自分たちには向かない気がする)ので止めようとなり、スバルXVはCVTの出来が今2歩で(時折当館に来てくださる、M氏からのご助言もあり)止めようとなり、ボルボとインプレッサが残ったのです。この時点で気持ちはインプレッサに固まりました。7年前に手放したインプレッサにもう一度乗ろう!と。
インプレッサWRXはかなりスポーツ走行に振ったクルマ作りで、乗り心地などは期待できませんが、アウディ・クワトロが世界中で脚光を集める(1980年)以前から4輪駆動を大切に育んできた(1972年よりレオーネで量産)スバルのテクノロジーは、安心感抜群です。

結局2月からの当館「四季」のラインナップはBMW_130iと、WRX_STI。いずれも使い慣れた6速マニュアル車です。WRXは今年2014年、モデル・チェンジ・イヤーですが、現行のベース車両のインプレッサが僅かではあるけれども肥大化。デザインはカッコよくまとめて来たようですが、やっぱり少々デカいよなぁーと感じています。
当館の愛車、「運転してみたい」とご希望がありましたら、可能な範囲でご対応差し上げたいと思います(重ね重ねですが、いずれもマニュアル・ミッション6速車です)。どうぞよろしくお願いします!

2014年1月22日水曜日

知らないものについて、語ると言うこと。

ご近所の小川さん(仮名です)が、新しいパソコンを購入しようかお迷い中だとメールをくれました。何でもWinXPマシンを愛用中だけれども、OSのサポートが停止するし、消費税が上がるし、ご自身で契約しているウィルスソフトの期限も間もなく更新タイミングだし・・・、とのご様子。
自分はと言うと、実は最近ほとんど立ち上げたことのないWinXPのノートを1台持っているにはいるものの、デスクトップと常時使うノートはWin7機。ところでOSのサポート停止に伴って何か困ることがあるのか?と問われても、あんまりよくはわからないのがホンネ。たぶん、あくまでもたぶんですが当面は何も困らないと思う。一番懸念されるのは、やっぱりウィルスなどに対する脆弱な部分の放置でしょうから、サポート終了後徐々に、日に日に危険度は上がって行くような気はします。
http://thepage.jp/detail/20140108-00000007-wordleaf

さて、過日(19日)に町内会新年会があり、その席上で小川さんのパソコン更新のお話しが出ました。河田さん(仮名です)は「そりゃ新しいWin8のノートパソコンがいいよ」と。OSの選択肢はWin7か8になりますが、Win8のインターフェイスは大幅に変わっていて(たぶんMacOSを意識してのタッチ操作へシフトしたため)、WinXPから乗り換えるには少々戸惑う可能性もあります。もうひとつはノートかデスクトップか。
僕は自営業者としてどちらのパソコンも普段からよく使う立場にありますが、まったくの趣味のパソコンの場合(と言っても現状は生活の一部に完全にしみこんできてはいますけど)、どちらがいいかは簡単に決めきれない気もします。持ち歩くことがない(またはないに極めて近い)場合は、ノートの優位性はあんまり見いだせないと思うんです。まぁスペース効率がいいのはいいですが、モニターの制約もキーボードの制約も、さらにはスペースの制約から来る拡張性なども格段に差があり、しかもコストでもノートは割高。

とまぁパソコンの選択についてあれこれ考えさせられることは多いわけですが、前述の河田さんのように、実際には使っていないもの(河田さんはWin7のノートパソコンを使っています)を比較して「これがいい(あるいは悪い)」と決めつけることって、普段からよくあることではないでしょうか。例えばクルマなんて典型的で、運転はおろか助手席に乗ったこともないクルマを評してしまう(好きとか、いいとか、良くないとか)ことって自分でも時々あるような気がします。
けれどもこれは紛れもない想像(決めつけ、妄想)でしかありません。表現を「だと思う」とか「ような気がする」と結べばいいのでしょうけれども、往々にして断定的に語ってしまう。知らないものを知っているかのように語ってしまうわけです。どうしてそうなるのかよくはわかりませんが、ひとつは情報過多である程度の情報が手に入るのは事実です。誰かが(例えば専門誌の記事にどこかの批評家が)語ったことをまるで自分の経験として取り込むことで、その錯覚は生まれる可能性はあります。またメーカー(供給サイド)の宣伝にいつしか乗せられてしまうこともないとは言えません。

でも、やっぱり自分で経験してみない事にはホントのところは判断できない、と思います。僕自身のことで言えば乗ったこともないクルマのことをあれこれ妄想して好きとか嫌いとかを語り、使ったこともないカメラやレンズのことを同様に語り、食べたこともないレストランの料理のことを想像して「いいよね」なんて言ってしまっていますが、実際に経験してみた時の印象はその情報量の多さが圧倒的に違うと感じます。どうしていいと思うのか、好きなのか、その理由が上手く言葉にできないとしてもたくさん感覚として判断材料があります。
個人的に知らない(経験していない)モノについて語るのは自由には違いありませんが、それをほかの人に伝える、助言する、挙句の果てに強要するというのはどうなのかなぁと改めて思い当たる気がしました。

2014年1月9日木曜日

スノー・シューを楽しみながら・・・♪




みなさん、明けましておめでとうございます。
2014年がはじまって、すでに9日目に入りますので「遅ればせながら」ってことになってしまいますが、本年もどうぞよろしくお付き合いくださいますようお願いいたします。

年の初めに何か「抱負」めいたことを記してみるのもいいと思うのですが、例によって取り留めもなく・・・。えーと、昨年の1月最初のブログに「やる楽しみのいっぱいある1年に」みたいなことを書いたように思います。例えば少年時代に好きだった釣りをやろうとかなんとか・・・。で、結論的には釣りには行かなかった(あちゃー、よくある話ですよね。宣言してはみたけれどって)。その埋め合わせに(なるかどうか自信がないわけですが)、ひとつはスノー・シューを楽しむようになりました。釣りもそうですが、スノー・シューもいざやるとなるとほんの少し気合が必要です。おし、やるぞ!ってやつ。スノー・シューで出かけよう、なんて日はお天気がいい日が多くて、そんな日はたいてい放射冷却して気温が氷点下15℃(早朝ですと25℃とか)くらいになっていますから、そこへ繰り出すための心の準備は多少必要です。12月のシーズン入りしてから、なんだかんだでもう4回も(今年2回も)出動していまして、けっこう(かなり)楽しい・・・!
美瑛に移住するまで、ぜひ日常的に楽しんでみたい♪と思っていたことの一つがこの真冬の雪原のお散歩です。でも、いざ移り住んでみると、まぁいつだって行こうと思えば行けるさ、という気持ちと、ちょっと今日は寒そうだなぁと言う気持ちが入り混じって、なかなか踏み出すことが出来なかった気がします。それでもやっと1年前にスノー・シュー購入して、今年はさらにたくさん揃えて(結局5セットあります)、お客様も巻き添えにしてやっている。
結局無理やりやらされるものって楽しくもなんともないことが多いわけですが、やってみたら、あれ、これっていいんじゃない、となると続く(続けたくなる)。そこからさらにエスカレートすることもありますが、今スノー・シューがとにかく楽しい。ザクザクザクと雪の中に踏み込んで行って、誰も来ない丘の上に登って行くと、この時期にしか見ることのできない素晴らしい光景が待っています。別に秘密のあの場所、ってほどではないんだけれども、真夏でもあまり人が来ないようなマイナーな丘の上は、絶景の宝庫なんですよね。もちろん畑の中を勝手に歩き回ったりしません。普通の道路を行くわけですが、そこは除雪されていない道で、足跡はエゾリスとノウサギとキタキツネのものばかり。
たかだか1時間半程度の空中散歩ですが、はぁーとうなり声の出てしまう白銀の大パノラマに、気分も高揚してしまいます。

あ、そうそう、年始にあたり何かそれらしいことを書くのでしたっけ。それで昨年の続きになっちゃいますが「やる楽しみ」のさらなる充実です。その先に、楽しみのお裾分け、これをぜひいっぱいやりたい。具体的にはスィーツを一から学びなおそうと思っているわけですが(今のところは思っているだけなんですけど、たぶんやりますよー!)、自分自身が作る楽しみと食べる楽しみに包まれながら、それをお客様にもお伝えできないかなぁと。受け売りもいいのですが、ここしばらく僕が虜になっていることと言えば、自分自身の「やる楽しみ・実感する楽しみ」ってことになると思います。
それで当館「四季」にいらしてくださったお客様に、その一部を押し付けたりする場面がないわけではないと心配していますが、そんな時はぜひ大目に見ていただけたら幸いです。

いつもにも増して、なんとわがままな宿の親父の言いたい(書きたい)放題になっちゃいましたが、どうぞ今年もよろしくお付き合いくださいませ!