2015年12月11日金曜日

フライトチケットで感じること・・・。





どうでもいいことですが(そもそもこのブログの内容は、おおよそそんな感じですけど)、この秋(11月)に2度帰省することになりました。今回は突然の帰省ではなかったので、少し余裕を持って計画できたのですが、航空券の取得の際に感じたことを少々・・・。

帰省は静岡(家内の実家&私たちの学生時代に過ごした地)と岡崎(私の実家)だったので、それぞれ羽田と中部国際空港へ降りました。美瑛は旭川空港がクルマで16~17分と至便ではありますが、JAL、ANA、AirDoとそうそうたる(?)航空会社しか乗り入れていません。ANAの中部便はこの上なく嬉しいですが、時間に余裕がある時には千歳まで行って、スカイマーク、ジェットスター・・・などなどのやや廉価なフライトを使うことが多いです。
で、ですねぇ、いわゆるLCC(ローコスト・キャリア)も含めたフライトのチケットの入手の際に感じることですが(と、ここで本題です)ジェットスターやピーチ等LCCと謳っている会社は、表示価格でチケット買えない!これって何だかなぁ・・・と。手数料とかクレジット利用代金とかが後追いで加算されて、結局15%くらい表示価格に上乗せされちゃう。空港使用税がかかるのはわかるんですが、消費税同様に税込み(諸費用含む)価格表示をしているJAL、ANA、そしてAirDoやスカイマークと単純比較できないので、注意が必要です。LCCは価格を抑えた設定がウリなのはわかりますが、最終的に決済するところまで来るとあんまり安くもないなぁと感じてしまいます。さらに(と、ここでまた不満があるので追記します)、手荷物にけっこうな加算金を課しています。はっきり言って事前に宅配で送った方が安いくらい(しかも宅配ならドアtoドアですよ!)。私は、手荷物に加算金を申し受ける点には納得しています。が、あまりにも高いような気がします。しかも、実際に持ち込む手荷物の大きさや数のチェックも少々曖昧で、手荷物預けた後に想定外に買い込んじゃったおみやげ品は見逃してもらえるケースがほとんど(みたい)。まぁそれは空港のおみやげ品の売り上げアップに歯止めかけるわけにも行かないのかなぁと想像してみますが、そうなると真っ当に手荷物を有料で預けている人に不公平感が募りますよね・・・。思い切って手荷物の預かり料を半額程度にしてくれたら、預けやすいし無理やり機内に持ち込んでくる人も少なくなると思います。
トータルの価格面ではLCCではないと宣言しているスカイマークが良心的で、表示価格そのままでチケット購入できますし、個人的にはポイント高い。便にもよりますが、場合によってはLCCと変わらないくらいの価格設定のケースも(まぁサービスもLCC並みのような気はしますが・・・)あります。

で、ちょっとお話変わりますが、機内のドリンクサービスとか持って帰ってもいい分厚い機内誌って、そもそもいらないような気がします。優秀なCAさんが笑顔でコーヒー出してくれるのは有難いんですが、けっこう飲まないことが多いです。お茶代もチケット代に含まれているなぁとは思うものの、欲しくない時は飲みませんよね。私が社会人になった1980年代前半に比べたら、飛行機が価格的にも便数的にも身近になったと思います。何というか隔世の感です。でも、案外不要なサービスや手続きは残っていると思う。もちろん立って乗るような時代は来ないと思いますけど、駅に行ってついでに乗れちゃう新幹線みたいになる日は来るのかなぁ・・・。

それから、携帯電話の料金設定を私が理解できる日が来るとは思えませんが、フライトチケットの代金ももうちょっとなんとかならないものでしょうか(稲盛さんでもダメか?)。と言うのは、チケットを購入するタイミングでものすごく価格が違います。例えば週末とか連休前に高い価格に設定される点は仕方がないと思いますが、チケットを早く予約するとかなり安価になりますよね。これも多少は納得ですが、違い過ぎると感じます(そうでもないですか?)。75日前ですと、正規運賃の3分の1以下の設定になっています(JALやANAの場合)。3割とか、せめて4割引!でしたらまだしも、7割引きって同じサービス内容なのにどうなんですかねー?正規運賃をもっと下げてもらえたらいいのになぁーと感じませんか・・・?

さて、最後に(まだあるの!とおっしゃらずに)先月三菱のリージョナル・ジェットが無事テスト飛行を終えました。リージョナルの定義は少々わかりにくいですが(概ね小型(100席に満たない程度)の旅客機ということでいいと思います)、これが数年後に順次導入されるようになると、もう少し便利になるような気がします。
小さい機体なのでコスト的にも抑えられると思いますし、何より東京(羽田)や大阪といった大都市発のフライト以外の、中規模都市から中規模都市間のフライトに出番が多そうです(って、マーケティング的にそっちだろってことだと思います)。最寄りの旭川空港であれば、福岡や広島はもちろん、那覇とか鹿児島とか新潟とか仙台(ちょっと前まであったんですよね)にも就航する可能性が出て来ます。

日頃、不便が素敵!なんて言っている私が書くのもご批判受けそうですが、MRJ(三菱リージョナルジェット)の就航は、ちょっぴり期待しています。


2015年11月8日日曜日

秋と冬を行ったり来たり・・・(秋編)


美瑛の「今」を季節感と共にお届けすべく始めたこのブログ、いつの間にか私の物欲やらの話題が多くなり、いやそれ以前に投稿自体が激減してしまったことに大いに反省しきりであります(前回の記事にも反省とか書きましたよね。反省ばかりって言うのもいかにも芸がなくて、重ねて・・・(また反省か?))。
で、ひさしぶりに美瑛の景色を話題にしたいと思うこの頃。とにかく見とれるほどに美しい風景が、ここには溢れています。初夏のころ(6月入って間もないころ)も、同じような気持ちでいましたが、ほどなく当館「四季」は繁忙期へ突入し、初夏の絶景をお伝えできないまま盛夏、晩夏、初秋を過ぎて晩秋あるいは初冬と言えないこともない季節になってしまいました。この晩夏から初冬にかけてあわただしく過ぎていく北海道の(それも内陸の)景色の移り変わりは、ダイナミックにしてファンタジック。そんな長々と前置きを続けるのも無粋ですので、早速美瑛の今をお届けしましょう。


落葉松の黄葉がきれいに染まり始めた11月初旬、美瑛は晩秋の輝きをまばゆいばかりに放っています。思えば9月から10月にかけてやってきた台風のかけらや、爆弾低気圧の影響で、色づくはずの木々の葉が散々散ってしまいました。と言うわけで雑木林が鮮やかに紅葉するシーンには出会えなかったけれども、例年通り秋まき小麦の緑色のラインと、落葉松の黄葉は健在で、見事に錦秋を演じてくれています。

一方でこの時期の「青い池」に目を向ければ、これがまたなんとも美しいブルーを見せてくれています。そうそう、今年は初雪が早かった。10月13日に初雪で、24日に2回目の雪が降りました。青い池はこの初雪の時が美しい。もっと寒くなってしまえば池は凍り、凍った池の上に雪が積もり、しばらくするとただの雪原へ。
そうなる前のほんのわずかな時間(例年では1週間くらいかもしれませんね)、池に立つ枯れ木の枝に雪が積もり、池のブルーが深い色合いを醸し、その白と青のコントラストが美しいのです。その美しい初冬の青い池が、ことしは1か月くらいも見られました(途中には秋の青い池に逆戻りしましたけど)。


秋の美瑛を彩る主役のひとつで忘れられないのは、さきほども紹介した秋まき小麦の美しい緑色のラインです。この緑と黄金色の落葉松や白樺の黄葉は、色の組み合わせの黄金律のような、なんともしっくりと来る美しさです。派手過ぎではないけれども、渋過ぎでももちろんない、ハッと息をのむくらいの美しさでありながら、まったく嫌みのないコントラスト・・・。
そう僕が感じてしまうのは、もしかしたら「慣れ」かもしれませんし、「記憶の回帰」かもしれないけれども、毎年繰り返される美瑛の秋色に、今年もまたうっとりと見とれてしまう自分がいます。

2015年10月23日金曜日

富士フィルムのカメラ、X-T10



10月初旬、デジタルカメラ、X-T10を購入しました。今年初めにデジタル1眼レフカメラ、Kiss X7を購入していましたし、2013年の1月にフルサイズ機(6D)を購入したので、あまり間が開かないのに思い切って購入したものです。

機械モノ好きというか、もう少しあけすけに言ってしまうとその手の物欲みたいな感覚が抜けない僕でさえ、6D以降はややアクセル全開で飛ばしてしまった現実に、やはり少なからず反省しています(ホントです)。
で、最新のX-T10について購入後500ショットくらい撮影し終えたところですので感想を残しておきます。まず、購入動機なんですが、1眼はCanon機を愛用して来た僕が富士フィルムに魅かれた理由は、T-10のコンパクトにしてカタマリ感のあるデザインと、Jpeg画像における、濃厚で色乗りのいい絵作りです。コンパクトにおいては、先に購入したKiss X7で存分に実感済みで、小さくて軽い1眼レフって楽しいんだ・・・!と思い知らされていました。ではKiss X7で十分ではないか、しかもマウント追加までするなんて・・・、と自分も思ったわけですが、富士フィルムの狙いどころは非常に上手くて(って、それほど売れていないようですけど)、小さいくせに高級機然としているんですよね。カメラが高級かどうかを僕が見極められるかどうかは怪しいのですが、とにかく高級感を出すのに成功していると思うんです。言ってみればKissの高性能版みたいな雰囲気(あくまでも雰囲気です、スペック的にはまた別と言うことで)。実際に手元に届いてみると、とても作りの良さが感じられて、この点で不満は無し。単純に「カッコいいな」と思いました。
富士フィルムのX-T1からT10へのデザインは、ミラーレスにもかかわらず、ペンタプリズムを収めるような頭頂部の三角デザインがありますが、これが違和感なくてグッド。シルバーとブラックのツートンデザインとオールブラックの2タイプあって、迷わずツートンを選びました。

もうひとつの絵作り面では、いろいろな誌面やメディアにも多くの記事がありますから敢えて僕が書くこともないと思われますので割愛しまして、本題である使い心地(使い勝手)についてお話しします。

1.小さいながら持ちやすさ、撮りやすさは?
正直なところ、快適とは言えません。小さすぎて・・・ということはないんですが、長年1眼はCanon機のインターフェイスに慣れきった僕の問題もあります。で、メカニカルダイヤルがたくさんあって(見た目はコレがカッコいい)、デジタルで設定するのか、ダイヤルで操作するのかよくわかんない!慣れれば・・・と思うんだけれども、いい年して新しいカメラ(新しいメーカーの)使うったっておいそれとはなじまないんですよね。
次に、形状が手にフィットしない(全然しないってわけじゃないんだけど)。あらためてKiss X7のボディのカタチは、如何に手になじむかを痛感する次第。これは富士フィルムにもうひと頑張り欲しい点だけれども、Canonの素晴らしさを称賛したいです。富士もいくつか工夫の跡が見られるものの、小さいボディに例のボタン類やらダイヤル満載で、掴みやすいとは言えないボディを操作していると、いつの間にか関係ないダイヤルに触れて動かしちゃってることがたまにある。で、戻し方がすぐにはわからずに、電源切って再起動したりと忙しい。さらに(まだあるんかい?)ズームレンズの距離を変えるレンズのねじりが、Canonとは逆(つまりNikonと一緒)。長年Nikonとは協業関係にあった富士にとって、こういう部分は仕方ないところではあると思うけど、ファインダーのぞきながら、大きくしようとレンズいじって小さくなっていることが多い(汗)。

2.はじめてのEVFは見やすいか?
ずばり、見にくい・・・。フルサイズの6Dのファインダー見て、T-10に持ち替えてファインダーのぞくとガックリ来る。6Dのファインダーは見えすぎるくらい。
構図を変えようとカメラの向きを変えるたびに、ワンテンポ画像が遅れて見える。ペンタ・ダハミラーのKissにも大きく劣る。レフ機を使っていて買い替える(買い増す)場合には要注意と申し上げたい。
ただし、液晶画面よりははるかにマシ。日中の快晴時でももちろん見える。絶望的なGF2には圧勝。ありがたいのは撮った画像の再生を、EVFで見せてくれること。これは快晴時にはとても重宝する。
最後に背面液晶だが、ヒンジが付いていて角度は変えられる。3次元には動かないけれどもカメラを頭上に掲げたり、地面すれすれから撮ったりするのにはめちゃくちゃ便利です。

3.で、けっきょくよく使うのか、使いにくいから使わないのか?
使う。不思議なんだけど使う。レンズも含めたコンパクトさが大きな要因ではあるけれども、クルマで言ったらマニュアル車好きがマニュアルのクルマをあえて乗るような感じだろうか・・・?ボディの質感も手伝って、なぜか何をおいてもT-10を持っている自分がいる。これは新しいから、買ったばかりで使ってみたいから、を差し引いても断然使う頻度は高いと思う。絶対に言い訳しない(できない)シーンだったら6Dで決まりなんだけれども、普段は違う。
そしてT-10手に入れて、あらためてKiss X7もよく連れ出すことになっちゃった。小さくて軽いのはいいことです。Kissの場合、僕はEF_Sレンズ(APS-Cサイズの撮像素子に特化した小型レンズ)を持っていないので、レンズ込みだと少々T-10よりヘヴィーなわけで、そこもT-10持ち出す頻度アップにつながってるかもしれません。

4.おまけ・・・。
電池持ちが悪い。感触として、300枚も撮ったらぼちぼち危ない感じ。Canon機の3割程度しか持たないような印象。これはEVFが電気喰ってるんだと思う。あと、電池そのものにキャパがないのかもしれない。
聞くところでは、富士の撮像素子がけして他社(まぁCanonとSony)に比較して優秀とは言えないながら、レンズと現像エンジンの秀逸さで出て来るJpeg画像は僕の目には色乗りのいい素晴らしいもの。ボディ、レンズともにモノとしての精巧さに溢れ、コンパクトで軽く、出て来る絵は芳醇で濃密。少々使い勝手に優れない(あくまでも僕にとってです)部分も、なぜか「使いこなそう」と思わせる魅力を放つ不思議なカメラです。

最後に、小ささ、軽さにフォーカスして僕の印象を書くと、Kiss X7に軍配。実際にはほんの少しT-10が軽いんだけれども、持ちやすさ含めるとKissに敵わない。Kissは、欠点の少ないオールラウンダー。プラスチックのボディでも、質感はけして悪くない。もし購入相談を受ける機会があれば、6~7割の方にはKissをオススメすることになりそう。ただし強くT-10を押したいケースが3割程度はあるように感じるのも事実。選択肢があるって、とてもいいことだと思います。

2015年4月9日木曜日

大阪阿倍野、辻調理師学校で製菓のスクーリングを5日間受講しました。




3月9日から13日までの5日間、大阪阿倍野 辻調理師学校でスクーリングなる調理実習(僕は、洋菓子の実習です)に出向いていました。気がつけば1か月も前のことになりますが、その時の経過とその後の展開を記しておこうと思います。

スクーリングは、辻調理師学校の1年間の通信教育受講者(有り体に言えば、その受講費用を支払った者)に対して参加資格が付与されます。もちろんこちらも有償です。そもそも、どうしてここに来て通信教育&実習なのか、ですが、開業直前の年にカミさんが「西洋料理」の部門を受講していて、質の高さや教育内容の密度、実習の内容を知っていたからでした。できれば早い段階で僕も受けてみたいと考えていましたが、お恥ずかしい話先立つものがなく(通信教育とスクーリングで概ね30万円ちょっとかかります)、始められなかったと言うのが本心です。
開業して8年の間にどうにか経営的な弱さを少しずつ克服し(まだ怪しい限りではありますが)、加えて自身の洋菓子に対する知識(特に基礎意識)と技能を身に付けたいと思う一心で始めました。そしてそのハイライトは実際に大阪の学校まで行っての実習でした。

なにごとも、準備のない場当たり的な参加は実りの少ないものです。今回はここを大いに反省しないといけません。カリキュラムでは作るものもタイムスケジュールもきっちり決まっていて、あまり事前にチェックする意味合いを感じませんでしたが、大間違いでした。

5日間の中で、特に2日目のパリブレストや最終日の集大成のようなカスタードとフルーツのケーキは非常に印象に残り、当館でもお出ししたいと帰ってからも何度もトライ&アレンジしていますが、もう1度学校に行って授業を受け直したい気分です(授業料を、目いっぱい使い切れていなかったですよね)。

と、その前に、スクーリング(5日間実習)について、大雑把に記しておきます。辻調理師学校では、春休みのこの時期、部門(西洋料理はじめ6部門)ごとに5日間の実習を開催しています。僕の受けた洋菓子では、毎日座学が最初に1時間半ほどあります。テレビでおなじみの(僕はテレビ見ないので詳しくなかったんですが)教授陣が、日替わりで1つあるいは2つの洋菓子を1日かけて教えてくれます。座学の後は実習です。4人1チームに分かれ、1チームに助教授クラス1人と講師クラスが2人ついてくれます。講師クラスは作業の手ほどきもしますが、計量はじめ事前の準備と使用済みの機材や食器を洗う役目も担ってくれます。初日、僕らは1班になり、簡単な自己紹介。長野と山梨の人に続いて「北海道から来ました」と言うと、すごーい、遠くからよく来ましたねと驚かれましたが、4人目の女性が「香港から来ました」と紹介があり、さらに全員がびっくり。僕の最遠隔地の称号は、一瞬にして持って行かれてしまいました!

9時に講義が始まって、実習がスタートできるのはだいたい11時。2時間ほどで一区切りとなり、待ちに待ったランチタイムです。昼食は辻調のランチ担当の先生が、毎日趣向を凝らしたお昼ごはんを用意してくださいます(パンとスープを軸に)。もちろん美味しさには妥協が無く、受講生のランチとしてはオシャレに盛り付けてあります。さらにこのタイミングで最初の座学の時に作成した(講義ですが、先生が助手とともにちゃんとケーキを完成させちゃうんですよね)お菓子の試食も・・・。あー、こんなに美味しいんだ・・・と自分が作っているケーキの完成形を前にしながら瞬く間にお昼もお終い。
時計を見るとたいてい2時くらいのことが多く、ここから後半戦スタートです。ケーキの作成も詰めですから、先生の目も少し厳しくなって・・・。そしてケーキの完成がだいたい4時過ぎ。後片付けをして、4時半くらいに実習の1日が終了します。出来上がったケーキはお持ち帰り。これが遠隔地から来ているホテル住まいの僕には少々問題だったのですが。


さて、ちょっと最初に記した、準備不足の部分に触れなければいけません。学校では、万全の態勢であらゆるものが用意されます。材料、調理器具、計量器具、そしてオーヴンや冷蔵庫(冷凍庫)など、総てが至れり尽くせりに揃えられているのです。
しかし、僕のようにここで学んだケーキを、戻って自分のお客様にもお出ししたいと思うのであれば、ない調理器具や手に入らないちょっとした材料に関して、代替案を用意しないといけません。なにしろ調理器具に至っては無い物の方が多いのが現実です。そこばっかりに気を取られていると、肝心の作業が蔑ろになってしまうので、要注意でした。仕方がないのでその都度優先順位を判断して、ここは作業、ここは代替案の確認、ここは材料の入手方法、ここは作業手順の相談・・・といった具合で1日が目まぐるしく過ぎて、毎日が早いことと言ったらありません。今思えば事前に作成するモノと作業手順、必要な材料を大雑把でも頭にイメージして実習に臨めば良かったなぁと反省しています。
1つの例で、先述のパリブレストというケーキがあります。このケーキにはプラリネというアーモンド抽出カラメルを使いますが、これはちょっとした製菓専用店でも売っているものではありません。僕はうっかりこの代替案を確認し忘れ、帰ってただの自作のカラメルで試作したものはイマイチでした。ネットでプラリネペーストを取り寄せて作ってみると、実習でやったあのコクのある素晴らしいクリームが出来上がりました。

余り多くはありませんが実習で身に付けて来たこともあります。カスタードクリームは上手に作るコツを習得して来ました。数冊の製菓雑誌で手順確認し(たいてい誌によって少し手順が異なります)、独学で作っていたものの欠点もよーくわかりました。熱の入れ方(止め方)や、撹拌のポイント(どこでしっかり撹拌しなくちゃいけないか)は、実習だと非常によくわかりました。あるいはスポンジケーキへのホィップのコーティングなんかも!これからは美しいバースデー・ケーキがお出しできるかもしれません。

最後に、実習で作ったケーキについても触れなければいけません。初日と2日目は、ホテルのフロントにお渡しし、皆さんで召し上がっていただきました。3日目と4日目は、Facebookでしか知らない大阪人(と京都人)と授業後に落ち合って(初めてお会いしました!)、もらっていただいたんです。こんなことができるなんて、世の中変わりました。ネットだけのお知合いの方と、大阪でリアルにお会いできるなんて!
そして最終日はパンを専攻されている方と物々交換です。この日関西空港から北海道へ飛ぶ機内で、僕の夕食が美味しいパンだったことは言うまでもありません。


2015年2月20日金曜日

ダイヤモンドダストの虜に。

北海道、美瑛に移り住んで、こんな景色が見られたらいいな・・・。そう願っていた風景は漠然とたくさんありました。
・丘を、のんびりと草を食む牛の群れ。
・流れる風が穂を揺らす、広大な小麦畑。
・驟雨のあとの、見渡すこともできない大きな虹。
・大地を黄色に染める、ひまわり畑の午後。
・オレンジに輝く、カラマツ林の秋。
・真っ青な空と、雪に覆われた真っ白な丘。
・少し遠いけど、息遣いさえ聞こえるキタキツネ。

そんな無数にある北海道らしさ、美瑛らしさの代表格が真冬のダイヤモンドダストです。ダイヤモンドダストは、主に一定の気象条件化で見られる自然現象で、北国北海道は比較的見やすい条件がそろいます。
まず、太陽の光、無風であること、そして気温が低いこと(氷点下10℃は譲れないセンでしょうか。20℃にもなると、盛大に見られます)。空気中の水蒸気が寒さで結晶化して析出してくる現象です。条件の重なる日には、たいていダイヤモンドダストを見ることができます。本当に神秘的な現象で、見る人を虜にしてしまいます。

さて、そんな見るも美しいダイヤモンドダストですが、これをファインダー越しに切り取ってお見せすることはまたもう少し難しいんです。肉眼で見えたからと言って、そのままに写真として撮れるわけではありません。
今度は写真としてどうしたら上手く写せるか、という課題が立ちはだかります。事実僕は、何度かその場面に遭遇し、そこでカメラを構えていたにもかかわらず、見たほどに綺麗なダイヤモンドダストの写真を撮ることはできませんでした。
それがこの冬(つい先日の2月4日)に、やっとそれらしく撮ることが出来たんです。ホンネを言うと小躍りしてしまうほど嬉しかった!ポイントはいくつかありまして、
(1)ダイヤモンドダストはものすごく小さな粒。
(2)ダストが煌めくは、ピントが合っていないため。
といったことが考えられます。ほかにも背景のことやもちろん構図といった基本的で、でも難しいことも考慮しないといけませんが、まずは(1)について、考えてみます。これをクリアするためには、小さな粒を大きく、即ち望遠レンズ(できれば超に近いくらいの望遠レンズ)が欲しいです。そしてもうひとつ、(2)はボカして撮るということのようです。と、ここまで考えてみるとある程度は条件が決まって来ます。自然条件に加えて、準備するべき撮影条件が、おおむね絞られてきます。

残念ながら2月4日と5日を最後に、自然条件のクリアされる日が無いまますでに2月も下旬です。さぁ、今朝あたり、もう1度上手く撮れないものか・・・?

あんまり欲張るのはいいことではありませんが(と言いながら欲張る私)、真冬の北海道で撮りたいシーンがあと2つあります。それは、雪煙をあげて走りくるラッセル車。ラッセル車には運行ダイヤと言うものがありません(こちらも自然の状況に応じて、適宜運行されるわけですもんね)。ってことは捕まえる(見ることのできる)ケースは偶然のこと。えーと野生の動物を狙うように、どこかに目星をつけて、条件のいい日に待ち伏せたらうまく行きますかね?
そしてもうひとつは、満天の星空と天の川です。

あ、氷点下9度まで下がって来ましたね。明朝もダイヤモンドダストに会えますように♪

2015年1月22日木曜日

旅行エージェントの、宿泊予約サイト考・・・。

昨日(1月21日)、美瑛町観光協会主催のセミナーに出ました。ホントのことを言うと出たくなかったのですが(だったら出なければいいじゃないか!、そうですね、でもまぁ出たんです)、協会で多少の役割を担当している事情もあって、顔を出してまいりました。

ます、宿泊予約サイトということで思い浮かぶのは「じゃらん」に代表されるいくつかのエージェントです。「るるぶ.com」や「楽天トラベル」、世界的には「Booking.com」なんかがメジャーだと思います(あまり詳しくはないので自信はないのですが)。
で、この宿泊予約サイトの成り立ちは、誰でも知っている通りピンハネ業です(あんまりいい言葉じゃありませんが、これが的確かと・・・)。ピンハネというといかにも悪徳なイメージですが、もちろん旅行エージェントに関してはそうではありません。私たちのような個人経営の小さな宿泊施設の広報を担ってくれるわけですし、ここから集客に繋がるわけですから、その利用料としてピンハネする(宿泊にかかる一部を利用料として徴収する)という仕組みです。

さて、冒頭のセミナーに戻ります。今回のセミナー参画は「じゃらん」と「るるぶ.com」が臨席しておりました。題してデータから見る美瑛の宿泊の現状。
常々意識しないといけないと思っていることの一つは、美瑛とくくってものごとを展開することの危険です。もっともくくらないとお話しできないことも大いにあるわけですから、くくることを否定するつもりはありません。要は美瑛とくくられた話の展開を自身とどう当てはめ(あるいはあてはめずに)、冷静に判断材料にできるか、が求められます。
さて美瑛の現状分析・・・。まぁ、聞くまでもなく自明のというか、誰もが知っている様な内容が延々続き、あるいはわずかな違いを極端に誇張して「これほどの差が」などのお話を伺いました。ざっと記載すると
・女性に人気。
・北海道の中でも人気の高い訪問先。
・リピートしたい旅先。
・自然景観への期待が大きい(宿などに対する期待は大きくない)。
などなど。時間の都合もあるので、今後につなげるお話しがほんのちょっぴりで現状分析(これが何とも新鮮味のない内容だったのですが(あ、分析された方、ごめんね))にながーい時間がかかる展開です。

で、あらためて考えさせられるのは、こういう分析や今後の取り組み的なお話を聞いていると、日本の(もしかすると世界中の)旅行先はどんどん均質化して行く運命にあるなと。概ねここがこうだからこうしましょう、他地域の成功事例は・・・のような感じですよね。
しかし私のような、吹けば飛ぶような小さな宿のオーナーと言う視点からすると、まことにもって面白くない。ヒルトンや、グランドホテルのように徹底したマニュアルの習熟と、上質な空間提供が、王道であろうことは理解しているつもりです。でも、1旅行者として世界中どこへ行っても均質なサービスってあんまり嬉しくない、と思うのです。

では、どうしたらいいのでしょうか・・・?それに対する模範解答を提示できるほど、このテーマは安易ではないのですが(そして私が答えることのできるほど優れていないわけでもありますが)、いくつかヒントになる事はあると感じています。
まず第一は地域の特性を最優先にしてみること。それこそ旅行者の一番の訪問目的足り得るのではないでしょうか。どこに行っても同じなら、大切な休日を使って行く必要がないんじゃないでしょうか。そうなると、他地域の成功事例はまったく参考にできません。
それからもうひとつ、万人受けをやめる、という決心も必要だと感じます。これは、裏返せば均質化と対峙する位置にあります。あんまり断言めいたことを語ることのできる立場では全くないのですが、似たような価格帯の似たようなお部屋構成の、ホームページまでなんだか変わり映えのしない宿ばかりだとしたら、選ぶ楽しさが無いですよね・・・。

そう言えば昨秋のこと、昼下がりに電話を取ると「突然のお電話、失礼します。私ども、SEO対策をやらせていただいております某システムハウスですが・・・」と。感じの良い丁寧な説明でした。私がSEO対策をやるつもりはありません、というと「なぜ?」と来ました。そこで私が、検索に上位に来ることよりも実業にリソース使いたいんです。検索で来ていただけるほど規模もありませんから、とお答えしました。
すると「とは言っても閑散期というものがおありでしょう。別に検索上位に来て邪魔になるわけでもないし」と。確かにそうかもしれませんが、そこはあえて、いえいえ検索4ページ目か5ページ目かでまったくかまいません。むしろ、検索で目立たない方がいいくらいです、とお返事しました。受話器の向こうで「え、そんな話聞いたことないですね。そういうもんですか?」と。
そんなわけで、このご覧になる方も限られた当ブログに、SEO対策の方は電話していただいてもいいお返事いたしませんので、と記載しておこうと思います。
同様に、じゃらんさん、るるぶさんほか、均質化につながる宿泊予約サイトへの登録も予定がございません。

最後になりましたが、いくつかご報告です。
【3月上旬に、しばらくお休みをいただきます】
3月8日(日曜日)から3月15日(日曜日)まで8日間、休館いたします。料理(デザート類)のスクーリングと、北海道フードマイスター上級試験のため、不在となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

【フリー誌「Have a nice PHOTO」に、当館が掲載されました】
全国のカメラのキタムラさん店頭ほかで、入手いただけます。今回の特集は冬の美瑛を撮りに行く、です。16&17ページ見開きに、当館も乗せていただきました。

【美瑛の話題を少々、青い池と映画情報です】
昨年12月20日より、美瑛白金地区にあります青い池が、夜間ライトアップされました。ライトアップの時間は午後5時から9時。期間は2月末までです。ハデさはありませんが、青い池の雰囲気をうまく表現していると思います。写真を撮る方には格好の被写体になると思います。
もうひとつ、美瑛で昨年ロケの行われた映画「愛を積むひと(原題は石を積むひと)」がこの6月に公開予定です。主演は佐藤浩市と樋口可南子。

【冬の美瑛の風景が、あきれるほど綺麗です】
ここに住み、ここで暮らして、目にする風景は「日常」になってしまいましたが、冬の美瑛の景色が息をのむほどに美しいです。だんだん晴れ間の多い日が増えて来て、雲の狭間からさす日の光が、丘を照らす様子が時の流れとともに変化して行きます。まさに自然のライトアップ。このことだけで、また記事を書きたいと思います。

ご参考までに。

2015年1月16日金曜日

この年始に、あれこれと買い物を済ませました。

iPhon5S
2014年は、個人的にもそうでしたが「四季」にとりましてもいい1年でした。例年にも増して、素晴らしいお客様にたくさん来ていただき、優秀で献身的なスタッフに支えらました。毎年12月20日過ぎに、何となくバーゲンのピークも去った街で買い物をします。冬の衣類や靴だったり、カメラなどのハードウェアだったり。でも、この冬は12月にもあまり途切れずお客様に来ていただいたので、お買い物は1月になってからになりました。

正直なところ、開業して5年ほどはホントにお金がまわらなくて、普通ならとっくに捨てている様な服やら靴も、平気で使っていました(使うしかありませんでした)。曲がりなりにもお客様をお迎えし、非日常をお楽しみいただくことを生業としておりますので、お客様に不愉快な想いをしていただいては本末転倒ですが、とにかく切り詰めた暮らしをしていたのは事実です。
それが5年を経過するあたりから、おかげさまで何となくお金がショートしないで繋がって行く気配が感じられ、もうこれは買い替えないとね・・・というものを年末または年始に調達、という感じです。

さて、今回のお買いもののシンボル的なアイテムは携帯電話です。実はこの文面を書いている私は、当館「四季」の開業準備として、2006年末にはじめて自身の携帯を持つことにしました(それまでも会社において、携帯くらい持てと強要されることはありましたが、持ちませんでした)。
気がつけば丸8年が過ぎ、巷の携帯電話もすっかり変貌しているありさまです。そもそも私個人としては、自営業と言う今の立場でなければ、まだ当分いわゆるガラケーでさしたる不満もないどころか、ろくに使わないままに過ごしていたことと思います。つまり携帯電話があんまり好きではない・・・(し、使いこなせていない、全然)。
そんな私が、どうして携帯電話を更新したのか、LINEなんて死ぬまで使わない(使えない、とも言いますね)のに。

それは当館にいらっしゃるお客様が、ほぼ漏れなく最新の(に私には見える)スマートフォンを持っていらっしゃり、「無線LANは使えますか?」から始まって、食事のお皿を写真に撮って、SNSやブログに瞬時に掲載していらっしゃる現状があります。さらには携帯同士であっという間に情報交換して、瞬くうちにコミュニケーションが知らないお客様間で始まる・・・、という場面も。
果たして、そういうつながりに、自分が知りません、関わりませんでいいのかなぁという疑問。多少のコミュニケーション参画(無線LANの使い方の実演だけでも)は、ささやかなおもてなしの一部になるのかも・・・と感じないでもありません。
そしてもうひとつは、スマートフォンで支払いができる時代に、対応しなくていいのかな、という疑問です。カードの支払さえできない当館ですが、LINEのアプリを使えば、手数料なしでお金のやりとりが可能になります↓。
http://line.me/ja/pay

まぁ、そんなこんなあれこれ今の時代のデジタルデバイスの主流に少し触れて、お客様とのいい距離を保つ必要があるかも・・・と思ったわけです。もっとも携帯電話(と言いますか、電話そのもの)があまり得意でない私。たぶん携帯に馴染む(さらにはどっぷり浸かる)ことはない、と断言できそうですが、とにかくまずはモノから、ということで買ってきました(お金払ってないから契約して来ました)、ⅰPhon5Sを!
ホンネを言いますと、ⅰPhonは避けたかった・・・。というかApple社は最近あまり素行がよろしくない会社になった様子ですので、購入しなくてもいいかなぁと↓。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41036
今までも購入したこと無かったですしね。で、実際に大手家電店の携帯コーナーで担当捕まえてあれこれ聞いてみると・・・
①初心者には、アンドロイドよりもずっと使いやすい。
②ハード&ソフトの一括開発だから、もっともトラブル少ない。
③モノ(ハード)としての完成度が高い。
などなど。よくないところも教えていただきましたが、上記①と②は決定打となり、さらにいきなりⅰPhon6は(6プラスはなおさら)デカすぎて邪魔そうなので、でもって契約料金も抑えることのできる5Sに決めてしまいました。

帰宅して夕食後に設定を始めました・・・。で、最初のメール設定の段階で「設定がロックされました。身分証明書とともにお近くのドコモショップへ・・・」と警告文が。つまりおかしな入力を続けたので、使用者は本人とは思えないから使えないようにしましたよ、ってこと・・・。身分証明書もって、近くのドコモショップで自分を証明して解除しなさいな、とのこと。あー、いきなりこれか・・・!!!
実はⅰOSはちょっといじってみて、かなり使いやすいな、といきなり感じたわけで、快調に設定は進むと思われた矢先のミスで出端をくじかれたとはこのことです。

今日はこんな感じですが、明日以降マジメに使いこなしてみようと思います。