2018年11月24日土曜日

新しい愛車は突然に・・・。


新しい愛車がやってきた。11月17日、「丘のほとり」に運ばれてきたBMW135iは、美しいブルーに輝いていた。前任のBMW130iがやってきたのも、真冬だった。思い起こせば7年間、素晴らしいカーライフ(って死語か?)をもたらしてくれた。
この日新たにやってきた135iもまた、そうあってほしいと願いつつ備忘録を記す・・・。

愛車BMW130iが、突然不調を訴えたのは9月も終わろうかという秋の入口の頃。うわぁーなんて大きな声が口をついてしまったのだが、愛車が突然に加速した。3Lのストレート6が勝手に吠えて、猛然とスピードを上げたのには参った。なにしろ当館「四季」のお客様をお乗せしていたからだ。

幸いマニュアル・トランスミッションのクルマだから、クラッチ踏んで事なきを得た(でも、エンジンの咆哮と言ったら、たまったもんじゃない)。2度目が起きると、もうそれ以上吠えることはないんだけど、エンジン切って始動すると、また律義に2回、勝手にエンジン回転が猛然とあがって、急加速がついてまわる。
ABS(アンチ・ロック・ブレーキ)のウォーニングがその直後に出ることから、エンジン系(と言うかスロットル系)の不具合じゃなくて、ブレーキ系の異常らしい。ってことはエンジンに異常はないってことのようだけど、でも突然暴走しだすのは困る。

たまらずBMWディラーに緊急入院するも、ほぼ打つ手なし。ちなみに警告灯類から僕が判断した点は、間違いなかったことが判明(ブレーキ系のエラー)。国内に交換部品がないので本国(ってドイツだよね)からの取り寄せで、ざっと見積もってもらったら45万円程度らしい。はぁー、勘弁してくださいよ。これ、リコール対象になるような症状ですぜ!
実のところそう思ったものの、ディラーでクレーマーになったりはしなかった。旭川BMWさん、対応は素晴らしいのです。精一杯の対応はしてくれる・・・。とは言ったって45万円は12年落ちの愛車にはキビしい。さらにインジェクション(エンジンの気筒ごとにあって6本。1本不調で代えたのが昨年で残り5本)も1本25,000円の交換費用は遅かれ早かれの状況だ。トータルでざっと60万円・・・。もういちど考えてみるに、やっぱり12年落ちのクルマにかけられる金額ではないなぁと思う。
意外にも(!)、BMWの車検費用とかは思っていたほど高額ではなくて、普通の国産乗用車と同じ程度。しかも、フロントの応対(接客)の素晴らしさは、ほかではなかなか触れることのできない(ま、僕がそういうところに縁がないともいえるけど)洗練されたものだ。愛車130iは大好きだし、ディラーの対応も申し分ない。どうしたものか・・・?

あれこれ逡巡したけれども、結論として、可能な限りコストをおさえてもう一度BMWにお世話になろうと決めた。とことん治す…ことも考えたけれども、やはり後継車を見つけることにした。
フロントの太田さんに希望を(好きなタイプ、色、そして何より予算)を告げると、あれこれ当たってくださって、見つけていただいたのがBMW135iという鮮やかなブルーの色のクルマだ。ここ最近は、試乗したり価格交渉を重ねたりして車を買うことは無くなって来た。今回も時々読むのを楽しみにしているネット記事を参考に、試乗せずに購入を決めた。
https://www.webcg.net/articles/-/701
手持ちのスタッドレス用のホィールが使いまわせることも背中を押した。


果たしてやってきたそのクルマは、事実上のいままでの愛車の後継機種ではあるけれども、随分大人に、ジェントルに洗練されていた。まだほんの30km程度しか乗っていないのであまり確信めいたことは言えないけれども、乗り心地がやさしくなった。これはこれで大歓迎。しかもふわついた不安感はない。少し旋回時にノーズの入りがシャープすぎる気がしているけれども、たぶん慣れることができるだろう。
1度だけフルスロットルを与えたら、全く別のクルマになって異次元の加速をした。スポーツカーの香りを全く感じさせないのに、この時ばかりはレーシング・カーになった。

運転席回りも、すぐに慣れることができた。ハンドルが、少なからず高級車っぽくなったのはいただけない(って、オッサンぽいんだよね)けど、計器類は見やすいし、ナビも前より格段に使いやすく、見やすくなった。
長距離運転や、ラゲッジの使い勝手、雪道の走破性や、燃費などなど、これからお付き合いする中で少しずつ見えてくることがあると思うけど、二回りくらい大人に洗練された今回の愛車、長くお付き合いできそうで嬉しい。

ところで今回の愛車選びは、突然の不調による全くの計画外の出来事だった。もしもクルマが元気で、あと数年乗ったのちに交換するとしたら、こんな愛車が欲しかった。
アルピーヌA110:
ルノーのスポーツ部門別会社アルピーヌが手掛ける、ミッドシップ2座クーペ。スポーツカーと言っても過言ではないクルマだと思う。2座という使い勝手の悪さを承知で乗る覚悟が必要だし、雪国北海道で駆動がMRによる後輪2駆っていうのも不安材料。
ただしワインディングを飛ばす快適さは別格かと(乗ったことないからわかりませんが)。1800C.Cのコンパクトなエンジンだから、何かと経済的。ただしプライスおよそ800万円ってどうなんでしょう?

ロータス・エリーゼ
アルピーヌよりもさらに先鋭的なオープン2座スポーツカー。一番シンプルな1600C.Cなら500万円でちょっとだけお釣りがくる。乗り心地は固く、快適装備は皆無だけれども、そして屋根もないけど、軽さを武器にものすごい瞬発力と反射神経を満喫できそう。
北海道の冬は、正直「無理」な車ですね。

ポルシェ・ケイマン:
2700C.Cの、いわゆる何でもアリの豪華(?)スポーツカー。ポルシェ中、一番廉価なのがコレ。アルピーヌとロータス同様2座のミドシップ・スポーツカー。600万円ちょい。とんがり度は一番マイルドで、冬の北海道でもまぁなんとか運転する気になりそう。
911が看板車種なのはわかるけど、いかんせん911は価格が無理な世界。で、一番庶民寄りなのが(もちろんクルマにそんな気配はないけど)ケイマンだ。もっとも2座のミドシップだから、十分アバンギャルドなクルマですけど。

アウディS1スポーツパック:
先の3車に比較しても小さめで(ロータスの次に小さい)3990mmの全長ながら、立派に4人乗り。さらにフルタイム4駆で5ドアという魅力的なボディを持つ。しかも一番価格もこなれていて430万円(僕的には充分高額です。1グレードっていうのは好き!)。
本音を言えば、もし数年後の車検時に買い替えを考えたとしたら、BMWかこのS1か、どちらかにしたと思う。アルピーヌの魅力には抗しがたいが、さすがにミドシップ2座を愛車にする勇気はないし、価格的にも手の届かないアルピーヌと、なんとかなる可能性があるアウディS1では、はじめから勝負になりにくい。
ここにBMW135iとアウディS3が絡むかなぁという感じだけれども、BMWは数少ないFRに、今では希少(で骨とう品と言えなくもない)直6の3Lエンジンを積む古典的なボディレイアウトのクルマ。もう少しやせ我慢して乗るには、悪くない選択肢なのです。裏を返せば、この年(60歳でございます)でかろうじて乗ることのできる、いちばん厄介な車だと自認するのがBMW135iで、ロータスやアルピーヌは非現実的な車と言わざるを得ない。でもって、今回の愛車が最後で、次はさらに現実的な(僕の運転技量も格段に落ちていると思われるし)4WDのS1が現実的だろうなぁと勝手に想像しているのであります。

2018年4月20日金曜日

個人経営・・・を意識するあなたへ。

いまから11年前の4月、長年勤めていた会社を辞して、北海道美瑛町にやってきた。ここで個人経営者になる覚悟だった。行き当たりばったりでやっていたこともあるけれども、一応計画というものを立案していたことももちろんあった。

毎年4月になると、その当時のことを思い出す。そして、ああしておけば良かったな・・・と思い返すことも少なくない。そんなあれこれの個人的なこともあるけれども、できれば今、個人経営(またはそれに近いごく小規模経営)に踏み出そうと考えていらっしゃる方に、ちょっとだけ入れ知恵したい。ま、お役に立つかどうかは保証の限りでない(ほぼ役に立たないかもです)ので、そのつもりでお読みいただきたい。

やりたいことがあるのか、それとも今の暮らしから新天地を目指したいのか、その両方なのか、いろいろな理由はあると思うけど、最初に「こういうことをしてみたい」「こういうことが好き」は、外せないと知っておいてほしい。
現状脱出が最大理由で、何やるかは決まっていないし思いつかない、だとかなり厳しい。こういうことをやって、こういう暮らしをして、その結果自分のやっていることが少しでも人のためになる、お客様が喜んでくださる、につながるようにしたい。と、このシンプルなバックボーンは絶対に持っていて欲しい。もちろん、今の何か具体的なことにすごく嫌悪感を抱いていて、そこから別の環境に移行したい気持ちが強くある方もいらっしゃると思うが、何やりたいかが絞れないと今の二の舞になる可能性がある。

と同時に、やりたいことはあるけど、自分では無理とかあれは私のいる場所とは別世界の、私には手の届かないこと、と思ってはいけない(もちろんアイドルになるとか、野球選手になる、みたいなことは恵まれた容姿や才能が欠かせないので、無理もあるけど)。
自分がやってみたいことをやるのに、限界はないし遅すぎたってことも絶対ない。裏を返せばやりようは必ずある。もし「食っていくためには」と言う理由から、不本意ながら、仕方なくこれでやる・・・という選択は、継続することが難しい。はっきり言ってしまうと、個人経営なんて客観的に見たら今風にはブラックだ。余暇もなければほとんど休日もない。儲かるから(儲かりそうだから)ではもたない。「好き」ならやれる可能性があるけれども、「好きじゃない」のにやり続けることは苦痛でしかない。だから「好き」はなるべくたくさん味方につけておこう。
やりたいことが見つからないあなたは、静かにそっと自分の気持ちに正直に向き合うこと。これなら少々厳しい日が続いても、やっていける・・・。そう思える何かを、必ず見つけてください。間違っても起業セミナーとか、情報商材のお世話にならないこと。そんなとこ行っても、多かれ少なかれあなたの大切な資産をむしり取られるのがオチ。起業セミナーに行って、成功した人の話は聞かない。セミナー通り成功できるのなら、起業セミナーやっている人が起業すればいいし、すでに起業していて成功しているのなら、まず間違いなくセミナーやってる場合じゃない(そんな暇あるわけない)。セミナー主催者の起業は、セミナーそのものだということを知ってください。

で、私はこれで個人(またはごく小さな規模の)経営したい、となったら、2つのことを考えてください。1つ目はお金のこと。これはいろいろ情報収集のためにそれこそ金融に関するセミナーとかに出向くのも手だ。オススメはやろうと思っている地域の商工会に加入して、そこでアドバイスをもらうこと。まだ始める前で自信がないでしょうし、こっそり始めたいと思うのは誰しも同じかもしれませんが、そんな悠長なことを言ってる場合じゃないです。商工会の扉を開けて、大きな声で「よろしくお願いします」と言ってください。
2つ目は、どこか同業者の先輩(全く見ず知らずでもいいから)のところに転がり込んで、いろはの「い」を教えていただけないか探ってください。誰かの紹介とか、かえってない方がいいかもしれません。あなたは身一つで、無償で(多少の有償かもしれないですが)労働力を提供し(受ける側からすると、あまり役立つとは限らないです)、かわりにその世界の一端に触れる(あわよくばノウハウの一部を知る)という具合です。そんないい話があるのかい?と最初からあきらめてはいけません。ネット社会ですから一生懸命あなたを受け入れてくださる親方を見つけること。あなたには同じ仕事を始めようとする情熱があります。そして親方はどこかに自分自身の跡継ぎ・のれん分けに関して、前向きな方もたくさんいるはずです。
開業のためには、必要なお金を工面しなくてはいけません。と同時に、最低限の知識も必要です。それは本業と必ずしも関係のない知識かもしれませんが、先輩の胸を借りられたらそんな心強いことはありませんからね・・・!

さ、1歩踏み出せそうですか?これから山のような課題が降りかかってきます。営業して仕事を取ってくること、必要なサービスを提供するために人材集めること・・・。
と同時にまだ見ぬ世界には、果て無い可能性も広がっています。

2018年4月10日火曜日

開業する友人にエールを送る。

去る4月1日、美瑛でほぼ同期に宿屋を開業したE君のお誘いで、彼がこの6月にもオープンするカフェの、開業前のリハーサルにお邪魔してきた。なんでもリハーサルだから、友人・知人も誘って来てくれという。飲食代は不要というので(さすがE君!)、スタッフ中心のメンバーで押し掛けた。

まだ開業前のカフェは何もかもが新しいわけだけれども、「カントリー」を基調にしたそのお店は、真新しいながらも人の居心地を良くさせるための、まさにカントリー的なしつらえが素晴らしかった。さすが彼のセンスはいいなぁと感心した。
それでもまだ実際に始まっていないカフェに行けば(ランチタイムに、ざっと50人ほどは客(テストのための)がいたと思う)、あれこれ感じることがある。接客のやり方や、メニューの展開といったアプローチの部分と、トイレがどうだとかテーブルのレイアウトがこうだとかいうカタチの部分の大きくは2つに大別された課題があれこれと思い浮かぶ。

それにしても人様のやることというのは、いいこともそうだけど今一つなところも実によく気が付くものだ。ちょっと流れている音楽がなぁ・・・とか、自分のやっている宿のことは棚上げで、思いつくことは多い。E君からの希望で「ぜひ、気の付いたことを列挙してくれ」というので100行ほどのメモを翌日渡した。

それにしても、宿屋をやりながらカフェも切り盛りするなんて、本当にE君は経営のセンスも実力もあるもんだと感心する。開業ということで、経済企画庁の中小企業白書という資料を見たら、開業のしやすさ・廃業になりやすさを表したグラフ(イメージ図にもなっている)があった。それを見ると宿泊と飲食はカテゴリーの中ではもっとも開業しやすくて(表からはおおむね9.6%くらいに見える)、同時に最も廃業に至りやすい(同じく6.5%くらい)業種ということになる。


ちょっとここに割り込みたいと思って持論を勝手に記してみるけれども、宿泊と飲食を一緒にするのは、無理があると思う。飲食と宿泊業には少し決定的な違いがあって、何と言っても初期投資の大きさが桁違い(1桁だけど)だ。最近は民泊もあるからその差は縮まっているかもしれないが、普通に宿屋をやろうと思えば(朝晩の食事も供する)、お部屋、お風呂、寝具・家具(ベッドだったりソファーだったり)といった建物&客室(と、その調度品)が必要になるので、ここへの設備投資は数千万円(たぶん億に近い)にはならざるを得ない。飲食店となればもしかすると自宅の一部(多くかな?)を改装して、1千万円に満たない額(場合によったら数百万円)で、オープンできる場合もある。
だから、カフェには競合がいっぱいいるし、ちょっと流行ればマネもされる。カフェで10年間ずっと人気店なんて、なかなかできないことだと思う(ごくたまにはあるけれども)。ところが宿屋さん(僕ら程度のこじんまりした5室前後の客室の)は、平気で10年くらい人気の宿はある。E君の宿は、まさにそう。でもって簡単にはマネされない(できない)。

ということでさっきのグラフに戻れば、カフェはさらに開業しやすく、廃業してしまう可能性も高いだろうと思われるし、宿は開業のハードルはもっと高い代わりに、はじめればカフェほどライバル多い世界に晒されることはないから、もうちょっと廃業の率も低いと思う。

で、この私のブログなんかを読んでくださっている方の中には、ご自身もいつかは北海道で(あるいは海外かも?)カフェをしてみたい、とか、小さな宿屋さんをやってみたい、とお考えの方もいるやもしれません。そんな読者の方に、カフェと宿屋のそれぞれの特徴を知っておいていただけるといいなと思いました。
もう少し続けると、カフェ(飲食店)ではお客様一人当たりの売り上げは、1,000円前後から高級店となれば5,000円くらいまで(いやもっとかな)になります(そもそも、いきなり1食5,000円取れるお店を出すのはかなり難しい)が、宿屋ではもっと高いですよね。しかもお一人でいらっしゃるケースは少ない。
さらにはカフェや飲食店では予約でいらっしゃるお客様は少ない(中には予約だけ、というお店もごくごくわずかありますが)。一方宿屋はほぼ全数が予約です。これは一長一短で、予約が先々まで埋まっちゃって身動き取れなくなることもあるけれども(休もうかな、なんて気楽にできない)、予約で動くからいろんなことは計画が立てられる側面もある。

とまぁ切りなくあるわけですが(もっとお知りになりたい方には、いくらでもお話しします)、かってのように就職したら定年まで、が容易ではなくなったいま、ご自身で何らかの起業を考えている方もいらっしゃると思う。4月、新しい年度に皆さんはどんなことを胸に臨みますか?すべての人に、希望溢れる新年度だといいですね。僕ですか、はい、持ちきれないほどの希望を、欲張っていますよ♪

2018年3月29日木曜日

春を前に・・・。

雪が随分少なくなった。それもそのはず、もう3月も終わりだ。ニュースでは、今年は桜が早い(関東や東海地方ではすでにピークを過ぎ、散り始めている)とか、台風3号が接近するかもとか、まだ少なくなったとはいえ雪に覆われているここ美瑛と比べたら、別世界の様子だなぁと思う。

雪が消えて春になる季節というのは、遍くだれにとってもいとおしい季節だ。もちろん僕自身にとっても・・・。ではあるけど、ちょっぴり事情が異なる部分もある。というのは、美瑛のような北海道のローカルな地で、宿屋をやりながら暮らしているから、今の3月から4月はちょっぴり特別な季節だ。

何が特別かと言えば、それは大きく分けると2つになる。ひとつは今が1年を通して一番の閑散期だということ。閑散期と言えば11月中旬から12月初旬というのもそうだけれども、今の方がちょっと期間が長い。
開業した当時は、この閑散期が恨めしくもあった。何しろ開業準備でなけなしの資金をほとんど使い果たしてしまっていたので、お客様のいない暮らしは生活するためのお金がない日々に直結していた。どうやってゴールデンウィークまで繋ぐのか、けっこう辛い2か月近くを過ごしたのは、開業後3年間くらいはあったと記憶する。
今は恨めしくはなくて、むしろ楽しい・・・。幸い宿屋としての経営は開業時よりはマシになって、なんとか冬までに閑散期を越えられるだけの体力がついてきたからだ。本当にありがたいことだと思う。
お客様をお迎えしているときには、小さな隙間時間を見つけてあれもやる、これもやるとがんばらないと、やらなくちゃいけないことが、零れ落ちて行ってしまう。それがこの閑散期になれば週休4日、5日になるので、さぞ、あれこれとたまった残務が片付けられるはずなのだが、週休5日になればなったなりの時間の無駄遣いが災いして、遅々と片付けられない自分がいる。さらに、そんなのんきでちょっぴりだらしのない暮らしぶりが許されるのも今ならではだ。こうして変な時間(ただいま午前4時)にPCに向かうことができるのも、今の時期のお楽しみだ。

もうひとつの特別感は、1年の準備の大半を今やらなくちゃいけない、という相反する部分。4月も末になると、お客様をお迎えする日が多くなって、普通の(というか毎日がお仕事の)日々が続く。こうなると、遠出はできないし、まとまった時間をかけて庭の整理をやったり、websiteを作りこんだり、宿の中のレイアウトを変更したりは事実上できない。それは「今やる」べきことで、繁忙期にはできないことでもある。
もう10シーズンもやっているわけだから、多少は勝手がわかってきたものの、僕の性格上なかなかシステマチックにできないところは大反省点だ・・・。とにかく、1年の計は元旦にあり、じゃなくてこの3月4月の閑散期にあり、なのだ。
決まった「やること」もある。冬の外用の道具(おもに雪を片付ける色々な道具)をしまって、自転車を物置小屋から出してくる。1年分の薪割をやる。庭に花を植える。などなど・・・。本当はやるべきことを書き出して網羅した方がいいのだけれども、ついつい目先のことをやろうとするうちに、効率悪く時間だけが過ぎてゆく。
やることが決まっていること、をなんとなくやりながら、時間切れとなってシーズンに突入してしまうと(たいていはこのパターンだ)、繁忙期に「これを準備しておけばよかったのに!」にたくさんぶつかる。
今の閑散期は、まぎれもなく今年1年の準備期間(であって、今を逃すとそのチャンスはない)。だから妙に気持ちが揺れる。あれこれと気分的にあっちこっちに気が取られる(気が散る)。閑散期をのんびり過ごして、その贅沢な時間の浪費を「今しかできないなぁ」と悦に入る自分と、今年1年の準備をしなくちゃ、と焦る自分・・・。

そうだ、とりあえず温泉に行こう。湯浴みして、あれこれ妄想を膨らませたら、何か見えてくるかもしれない・・・。そんなわけないかもしれないけど。

2018年3月24日土曜日

JRに揺られて・・・。


久しぶりにJRに乗って、旭川へ出かけた。昨日出しておいた愛車(クロスオーバー7)の1年点検とリコール(検査資格のない人が検査した、というだけ)に関するサービスを受けた。何せ1年点検だから、これといった不具合は感じていない。ディラーの、ご挨拶的な意味合いもないことはないだろう。代車も用意してもらえたのだが、必要なさそうなので断った。果たして引き取りに行くのにJRとなったが、時間もあるしたまにはいいんじゃないかな、と思う。


せっかくJRに乗るので、本1冊(と眼鏡)をリュックに入れておいた。案の定、本があると列車の旅はがぜん楽しい。ただ無意識に流れる景色を眺めているのが好きな僕だが、時々本を読む。結局読みかけの本1冊は読破してしまった(谷山雅計著:広告コピーってこう書くんだ!相談室)。
本を読み終えるとほどなく旭川駅に到着。今回は初めて石北本線に乗り換えて、わずか2駅だけれども「新旭川」まで行く。ここがスバルのディラーに一番近そうだ(Google Mapにて、およそ2km弱)。幸い富良野線と石北本線はダイヤのつながりが良くて、7分待ちで比布行きがある。これまた7つながりの7番線に行くと、もう列車は待っていた。
JR北海道は、瀕死の状態だ。鉄道に何とも言えない憧憬がある自分は、いつまでもJRには頑張ってほしいけれども、内実はほぼ不可能ということらしい。ほとんどの路線で経営が成り立たなくなっている現状から、いつまで富良野線や石北本線に乗ることができるのか、心もとない。JR北海道も当の昔に民間企業になっているんだから、ボランティアで列車を走らせ続けることなど出来っこない。経営改善も万策尽きているのだとしたら、せいぜい今あるうちに乗れるだけ乗っておこうと思う。しいて言えばここの所インバウンドの増加が著しいので、利用者は減ってはいないと思う。企画ものはリターンが不確かだからやらない方がいいと思うが、例えば富良野線を旭川空港まで引き入れるような「王道」をやることができるだけの体力がないのも事実かもしれない・・・。

あれこれ妄想を巡らせているうちに、新旭川駅に到着。4番線まである駅だが(しかも結構な本数あることもわかった)、無人駅だった。ディラーに近い4番線側から改札を出ようと陸橋を越えるも、ホームがあるだけで改札はない。また陸橋を上がって1番線のホームから改札を出た。
外からまじまじと新旭川駅を眺めると、「新」の字が、すごく違和感あるほどに駅は古い。レトロと言えばそうだけれども、むしろオンボロと形容するしかない駅舎は、ちょっぴり可愛くもある。ある程度の利用者がいると思われる駅舎でさえこれなのだ。JR北海道の内情は、すでに危険な領域にあるのかもしれない・・・。

駅から国道に出るのに、ディラーと反対の方に300m近く戻ることにした。線路を越える踏切が、陸橋から見た範囲ではディラー側には見えなかった。歩くとなると、失敗はダメージが大きい。ここは手堅く(でも、かなり余計に歩いて)行くことにしよう。結局JRを越える部分も含めると、およそ3km歩くことになり、Mapで予習しておいた距離の5割増しも歩くことに・・・。
40分ほど歩いて目的のスバルのディラーに着くころには、けっこうくたびれていた。歩くのが遅くなったし、脚力も衰えたと実感する。おまけに列車の中で眼鏡なしでは本も読めない。年を取る、ということは、できたことができなくなることだなぁと思い知る。
お天気が良かったのは何よりだった。たぶん気温は2~3℃だったはずだが、それなりに着ていったので快適なウォーキングだった(とくに最初のうちは)。故郷の愛知県で、気温2℃の中を3kmも歩くのは、自殺行為だ。どうして北海道の2℃は、そんなに寒くないんだろう。温度計がうそを言うわけはないから、北海道の不思議ということにしておこう♪

ディラーで愛車を引き取り、一目散に帰路へ。急げばお昼には間に合いそうだ。携帯で話したところによると、カミさんの大腸がんの検診は「白」だったようだ。これを理由に今日はおいしいものを食べに出かけよう。そうだ、ひさしぶりに富良野駅の近くにある、パスタのお店にでも行ってみようかな・・・。

2018年3月17日土曜日

新しいカメラ、X-T2。


久しぶりに我が家にニュー・マシン(カメラ)がやってきた。実のところ最近の(ここ数年の)新型カメラの吐き出す「絵(画)」を、優劣つけるだけの審美眼は僕にはない。
にもかかわらず、このカメラを購入した動機は、今手にしているカメラの不満点解消があるからだ。と同時にそのカメラ(富士フィルムのX-T10)は、不満点もあるけれどもいいところもたくさんある(だから不満点が解消されれば大いに使いたい!)。

2月の中頃、春節(中国の旧正月の祝日)たけなわの頃、いらしたお客様が持っていたカメラが今回買ってしまった同社のX-T2だ。撮ってくださいと渡されたカメラを操作しながら、ファインダー覗いてシャッター切った。そのほんのわずかな時間で得られたフィーリングがとても良かったのです。

あらためて少し持っているカメラのことを記載しますと、現在使っているカメラはレフ機はCANON、レフなし(通称ミラーレス1眼)は富士フィルム。もともとCANON使いだったわけだが、フジのモノとしての作りの良さや、ミラーレスのコンパクトさ、軽量さに惹かれて、複数マウントに踏み切ってしまった。で、その富士フィルム、使ってみるといい、悪いのかなりはっきりした性格で(あくまで私にとって・・・です)、もうちょっとここがこうだったらサイコーだけどなぁ的なカメラ。
そこに突然先月「撮ってください」と貸されたX-T2に触れることになり、この「こうだったらなぁ」が見事に実現していたのに驚き、思わず欲しくなってしまったわけです。私的に富士の「絵」はコントラストが効いていて、とても美しいもの。ちょっとやりすぎかなぁ、ナチュラルな色合いではないな、と思う寸前の、うまいところでバランスさせていると思う。一方でX-T10は、操作系にやや難あり。これは僕自身の問題でもあると思うけど、けっこう小さなボディにアナログのダイヤルいっぱいつけて(これがまた、モノ的には美しかったりする)見た目はいいけど操作はしにくいし、知らぬ間にあれこれダイヤルに触れちゃうし、おまけにデジタルで操作するのかアナログでダイヤル操作だったか頭の中は混乱するし、というカメラなんですよね。
もともとT-1のコンパクト版で出てきたX-T10の宿命でもあったかもしれないけれども、絵作りにおけるスペックはそのままに、でも少々無理して小さくしました感のT-10が、その分操作しにくくても仕方がないのかもしれません(持ち歩きに負担は少ないですし)。でも、3年も使ってみると、相変わらず出てくる絵は美しいのだけれども、撮っててテンポが合わない、というかなんとなく気持ちよくない、楽しくない・・・というカメラになってた、ちょっとだけ。

X-T2手に入れようと決めて価格をリサーチしてたら突然それまでの2割も安い価格で売り出したお店(もちろんネット通販店)を発見!飛びついて注文入れたけど、案の定(いや、半分は期待してました)お店側から「間違えました、ごめんねさい」メールが来てしまい、お流れになったのが3月13日。ま、買ったつもりに半分なっていたので、モノが来ないのはさみしい。引き続きリサーチしながら、おそらくの底値を見極めて注文して、商品がやっと届きました♪
ちなみにその後に価格はさらに下がり、僕の買った値段よりも2千円ほど下がったのは悔しいといえば悔しいけれども、こればっかりは仕方がないね・・・。そうそう、この価格が下がるという現実、今ではまぁまぁ納得している私です。出来立てのほやほやはどうしてもいろいろなことがコストアップにつながっていると思う。仮にメーカーの出し値が変わらなくても、運ぶ人も売る人も、ある程度扱う時間が過ぎればいろいろコスト下げることはできるだろうし、小売店(と言ってもかなり大きなだけど)だって、売れ具合つかめるから仕入れの数量とかのリスクも下げられる。そこに駆け引きというか商売のあれこれがあるので、価格が動くのは当然だし、買う側もどこで買うのか好きに決めたらいいと思う。今回はぴったり底値というわけには行かなかったけれども、ここまで来たら買ってもいいな、というところで発注した。

到着したニューカマー、思った通りの使いやすさです。前機のX-T10の時も、今思うとT-1にしておけば良かったなぁと、今になって思わないでもない(そうしていたら、今回の購入は見送っていたなぁ)。とにかくコンパクトに魅力を感じたからT10にしたけれども、予想以上の美しい写りと予想以上の使いにくさがわかった。それでやってきたT2は、使いにくさに関してしっかり改善されてリリースされている。きっとカメラの大きさの「ちょうど良さ」の範囲って間違いなくあって(人それぞれだと思うけど)、T2はそのちょうどいいレンジにぴったり収まっている感じだ。

喜ぶのもつかの間、ファインダーの結像が、どうしてもピン来ない。液晶にはきれいに映るし、撮った写真をモニターで見てもばっちりなんだけど、ファインダーが厳しい。まぁ構図くらいはなんとか・・・とは思ってみたものの、これって初期不良じゃね・・・?とネットの購入先と富士フィルムをちょっぴり恨めしく思えてきた。ダメもとでマニュアルを見たもののいまいちわからず、ネットで探してみると・・・、あ、ありましたありました。ファインダーの視度調整!こんなの1度もやったことないや。なんでもカメラを購入して電源入れたら最初にやる儀式とは知らなかったぞ(何年カメラやってんだ???)。あらためてマニュアル読み直したらばっちり出ているじゃないですか。ひとつ利口になったような、こんなことも知らなかったのかと落胆するやら・・・、まぁいいや、とにかく調整です。お、ピンちゃんと来ました。うんばっちり。
こういうことでも、メーカークレームで帰ってくることあるんだろうなぁ。デジタルカメラなんて、言ってみれば最新メカの塊だから、わけもわからずに勘違いして「不良品だ!」と思っちゃうこと、あると思う。僕の無知はかなりひどいレベルだろうけど、ちょっとそんなことを思った。参考までにお役立ちのwebsite貼っておきます。手持ちのほかのカメラもしっかりファインダー見てみよう。
https://flowercamera.net/koneta-20151017/

ファインダーにしっかりピントも合い、いい被写体なんかないんだけどあてずっぽうにシャッター切ってみる。うん、いい感じだよね。ミラーレス機にありがちな、あの1テンポ(2テンポか?)遅れるような感じがしないし、メカニカルダイヤルもそれなりの大きさ・配置で使いやすいよ。
いっつも新しいカメラを手に入れるたびに、なんだか写真がうまく撮れるような気になる。作ってるメーカーさんもそこは十分研究に研究を重ねていらっしゃることと思うし、まんまと術中にはまった自分が、可笑しくもあります。


2018年3月4日日曜日

愛しき厳冬の丘風景。


毎年、お正月が過ぎるころになると、ちょっぴりお客様のご来館が減って、少しずつ自分の時間が持てるようになる。今年はありがたいことに2月下旬まで結構忙しかったので、自分時間のお楽しみは2月も末になってからになった。
2月下旬までのお客様は、いわゆる中国系の「旧正月」連休を利用して当館に来てくださるアジアの(中国系の)お客様が多かった。インバウンドの好調な推移の数字のことは詳しくわからないけれども、当館にもこうして確実に海外からいらっしゃるお客様が増えている事実を鑑みると、それが現実として理解される。

アジアの、それも日本でいえば九州以南のお客様(具体的には上海、香港、台湾、シンガポール、そしてタイなどからいらっしゃるお客様)は、雪景色を見ただけで別世界感を存分に経験していただけるのが北海道だと思う。
実のところ愛知県育ちの僕自身にとってさえ、北海道の冬は感動的ですらある。移住して12回目の冬だというのに・・・。よく、12月に入って町がクリスマス風に模様替えを整えるころ、ホワイトクリスマスをテーマにした音楽だったり映像だったりが、メディアや雑誌のグラビアに登場する。すごく雰囲気はある(から飽きもせずに毎年出番があるのだろう)けれども、実際にお目にかかったことは1度だってない。ここ数年降雪機会が多くなってきているので、もしかしたら可能性はあるかもしれないが、現実にクリスマスの時に町が雪に覆われて真っ白くなる、なんてことは起きはしない。
ところがこちら北海道ではまったくそうではなくて、クリスマスの時に雪が積もっていない・・・ということは考えられない。まごうかたなき銀世界になる。クリスマスは、もちろん普通にホワイトクリスマスだ。もっとも北海道生まれ、育ちの人で「雪が好き」な人にお会いしたことはない。きっとクリスマスもホワイトじゃない方が好きなんだろうなぁと勝手に想像している。

クリスマスを迎えると、そんなことを毎年思い出す。まだ年内は美瑛のお天気はやや下り坂なことが多くて、どんより曇り、たくさん雪が降る。これが年が明けて間もなく快晴の日が多くなり、2月になると、真っ青な空と真っ白い大地の日々が続く。快晴の早朝、日によっては氷点下25℃より冷え込むこともあって、凛とした冬の北海道の美しさに包まれる。
個人的に好きなのは、なんといってもダイヤモンド・ダストだ。空気中の水分が結晶して、小さな氷の粒になって舞い落ちる。マイナス17、8℃よりもう少し気温が下がらないと見えない。あとは日の出の陽光が降り注ぐことと、無風(かせいぜい微風)という条件がそろえば、ほぼ確実に見ることができる。
もちろん肉眼で見るダイヤモンド・ダストは十分に幻想的だ。晴れて、なにかが降るような気配が全く感じられないのに、空気中にあった水分が析出して、キラキラと小さな氷の結晶が粉雪のように舞う。しかもカメラの望遠レンズを通して見ると(それもピントを大きく外して見ると)、ダストは七色にきらめいて、さらに美しい。ダイヤモンド・ダストの量が多い日には、昇る太陽の下に、ダイヤモンド・ダストが一直線に伸びて光の柱になる。いわゆる太陽柱(サンピラー)と呼ばれるもので、これは1月から2月の寒い朝に5、6回程度しか見ることができない。
太陽柱はもちろん、ダイヤモンド・ダストも特別なもので、毎日お目にかかるものではない。その分運よく見ることができた朝は、なんだかすごくラッキーな気分になる。普段からお目にかかれない方が、ありがたみがあるってことだと思う。

幸運にも、この冬は僕に少し時間ができた2月の最後に連続して2日間ダイヤモンド・ダストが舞った。しかも初日(2月26日)は、サンピラーも目にすることができた。自分が何かご褒美をもらえるような行いをしたわけでもないのに、なんだかそんな気分にさせてくれる、厳しいそして第三コーナーをまわった美瑛の冬を満喫する日が続く。

2018年2月28日水曜日

ノート・パソコン購入記。



1台ノートパソコンを新調することにしました。当館「四季」は、新しい宿「丘のほとり」と2軒経営へと踏み出し、事業が大きくなって来ましたので、新たに社員を1人雇用することにしたのです。その新人にパソコンを1台用意することにしました。

新人さんが来てから、さてどんなパソコンがお好み・・・?というのもアリですが(そしてお気に入りのパソコンを用意できる可能性がありますが)、着任後速やかに業務についていただこうとすると、パソコンの絞り込みや、発注からやっていたのではちょっとのん気過ぎます(のん気な私でもそう思うくらいです!)。
新人さんの着任は、おおむね2月10日。1月中旬あたりからそろそろ・・・と気にしつつ、やっと1月も終わりになる頃手配が完了しました。いつもちょっと値の張るもの(私にとって)を発注する場合、希望のスペックや条件を、優先順位の高い順に箇条書きにします。今回は
1)画像サイズ13~14.5インチ(持ち運びができる範囲)。
2)HDDではなくSSD搭載機。
  ※データやファイルの保存先は、外付けHDDやクラウドも。
3)価格(せいぜい15万円までで収まって欲しい)。
4)CPUはi5以上であれば嬉しい。
5)LANポートのあるもの。
6)フルHD以上の解像度(で、できれば「ノングレア」)。
7)オフィス・ソフトが廉価で同梱なら、グッド。
8)あんまり重くなくて、液晶サイズに比して外形が小さい。
9)希望メーカーは4社ほどあると言えばある。
と、いつものパターンで書くとこうなります。ちなみにメーカーは、パナソニック(レッツ・ノート)、バイオ(旧ソニー)、マイクロソフト、デルの4社。JTと繋がりがあるのであんまり使いたくないけど価格COMで絞り込みをかけるとざっと50機種ほどが候補として残りました。
使い慣れたパナソニックも4機種ほど残りましたが、CPUのスペックやメモリの搭載容量であきらかにコストパフォーマンスが劣ります(純国産だから(パーツは海外だけど)仕方がないとも思う)。

結局オフィス・ソフトがついていて、液晶にも一定の評価のあるマイクロソフトとデルが残りました。マイクロソフトはハードはソフト供給のための撒き餌でもあるでしょうから、思い切った価格設定が可能でしょうし、デルはそもそもがコストパフォーマンスを最優先に掲げてきたメーカーです。
じっくり眺めていると、デルの数機種はSSDとともに1TBのHDD付きで、おまけにグラフィックボードが専用に搭載されていて(GeForce)、しかもマイクロソフトの十八番、オフィス・ソフト搭載機種が非常に競争力ある価格帯にありました。うーん・・・とうなりながら、機器のレビューを読むと、似たような条件で機種を探すとこの1択になってしまうと(でもって、大満足したと)ありました。



やはり、そうなのか・・・。
ちなみにDELL機には、サラリーマン時代にお世話になりました。悪い印象はまったくないけれども、いいかと言うとそういう印象もない。で、デザイン不在(まさにビジネス用のためのデザイン)だったと記憶しています。が、ここ最近のデル機、ちょっとデザインがいい。ダイナブックやレッツノートくらいだと、デルの方がオシャレ。
もっともMacがセンスいいのはわかるし、そのMacをおそらくは意識したマイクロソフトのノートもカッコいい。でも、デルがまったく水をあけられているかと言えば、個人的にはそこまでではないなぁ・・・。ということで今回はデルです。早く来ないかな!

DELLのサイトで確認すると、数日は組み立て中だったものが4日もすると出荷済に・・・。え、予定より随分早く到着するかも・・・と思っていたけど、結局予定日の1日前、2月8日にそのノート・パソコンはやって来ました。


Windowsを立ち上げて、同梱のオフィス・ソフトをインストール。OutlookやIEは使わないのでFirefoxとThunder birdをイン
ストールして、メールアカウントを登録したらちょうど2時間。昔に比べたら随分早くなったよね。
この間新しいPCのタッチを感じながらの作業になりましたが
【気に入ったところ】
・液晶が非常に綺麗(でも、グレアで映込みが気になる)。
・キータッチが思いのほか良い感触。
・キーボード配列も問題なし。
・デザインは、思ったほどではないけどけっこう良いかな。
・今さらながら、DELLの価格設定は競争力抜群。

【いまひとつなところ】
・意外にも、けっこう重たい(1.7kgにしては重いぞ)。
・電源ケーブルがすっごく太くてかさばる。
・CD(DVD)プレーヤー無いけど、大丈夫か(今さらですけど)。

と言うわけですが、後にまた使用感など報告します(しなくていいか?)。

1人きりのお客様を、お迎えしました。


あまり書かないことにしていますが、自分自身の記憶をとどめるためにも、少し実業の一端を書き記しておこうと思います。

2月7日に、ヴェロニカさん(仮名です)が美瑛駅に午後2時過ぎに着くのでお迎えをと連絡が入りました。2時過ぎはチェック・イン的には早いので「3時まで待っててね」と返事を返したところ、ほどなく返信があり、4時6分になりますと1本遅い列車への変更のメールが来ました。
時間通りに迎えに行くも空振りして会えず、戻ってチェックするとまた返信があって諸事情あって5時4分(また1本遅いJR)で来るとの事。もうちょっと早く言ってよ・・・と思いながら、2人でいらっしゃるお客様を再度お迎えに行きました。

実のところ、この時間帯のお迎えはタイトでできればお受けしたくないのです。夕食の準備(ダイニングのセッティングや、もちろん調理や)に追われる時間帯なので、駅往復はスムーズに行けば20分ですが、今回みたいに行ったり来たりでほかのお客様のお迎えやお部屋へのご案内やを考えると、正直忙しいのです・・・。

さて、2度目のお迎えでJR美瑛駅まで行ったものの、僕のお客様のお2人にはまたも会えず帰宅。すると「美瑛駅で待っています」とメッセージが入り、あれれ・・・?と思いながら3回目のお迎えとなった。
そもそも美瑛駅は小さな駅で改札は1か所しかないので、まず見失うとか会えないとかの心配はいらないのですが、見落としたのだろうか・・・?少し時間に追われながら、でも待たせちゃって悪いな、と思いながら再再度美瑛駅で2人を探すもやっぱり見つけられない。もしやしてバスか・・・?バス停??とも思ったけど、到着の時間はJRのダイヤそのものだったしなぁ。また帰るしかないのか、と歩き出す私に、先ほどから私の不審な行動に目を向けるひとりきりの娘さんが声をかけてくる。
Are you “Shiki” owner?
と。そうだと答えると、安堵した表情にちょっぴり笑顔が加わった。にしても
My guests are 2 persons….why?
と聞き返すと、途端に彼女の表情は曇り、大粒の涙が瞳から頬を伝って零れ落ちた。しまった、駅と言う公共の場で、そして公衆の面前で、若い女性を泣かす私・・・。あー、あってはならない光景だ。
涙と言うのは多くの情報を与えてくれる。たぶん、彼女は旭川でひと悶着あったのだろう。一緒に来るはずの彼(旦那かどうかは不明だが、たぶん現時点では「彼」なのではないか)と意見が食い違い、1人きりで来ることになったのだ。当然お部屋は2人用にセットしてあるし、食事だって2人分の準備をしてある。できれば事前に教えて欲しかったなぁと一瞬思ったが、彼女の背中をポンと叩いて私の車を指して歩き出した。
Let us go to my home.
彼女の小ぶりなスーツケースを持ちながら「my home」が妥当かどうかわからないけど、とにかくクルマへ誘った。無言で頷いて歩き出す彼女を当館にお招きできたのは、6時近くなってからのことでした。

結局のところ彼女は傷心(?)にもかかわらず、次第に笑顔が戻って夕食を平らげ、翌朝の朝食も綺麗に食べて、美瑛のSight seeingに元気に参加した。再三の遅延連絡ののちに予約した2人ではなく1人きりでやってきた彼女に、わずかばかりの文句を言いたい自分がいないわけじゃなかったけれども、美味しそうに食事を食べる様子や、嬉々として美瑛の丘を見渡すお客様を見ていたら、ちょっぴり自分も嬉しくなった。
ご案内した美瑛神社で、私から受け取った5円玉を賽銭箱に入れて真剣に何かを祈る彼女のその後が、ハッピー・エンドであって欲しいと願わずにはいられなかった。いつもは自分もお祈りして、わがままなことをいっぱいお願いしていたけれども、この日ばかりは彼女のことだけしか祈ることができなかった。

2018年1月28日日曜日

ゴッホ_最後の手紙(映画)を見る。



帰って来て、グーグル先生に検索してもらってウィキを読むと、フィンセント・ファン・ゴッホは”ファン・ゴッホ”がいわゆる姓なので(ミドル・ネームではないので)、一般には(日本以外では)略さない、とあるので、そうします(たんにゴッホでは良くないらしい)。
で、ファン・ゴッホの映画見て来ました。
確か彼は生前に売れた絵が2枚しかなかったと記憶していたが、映画のエンディングでは1枚とあり、ここでも記憶間違いが発覚(例のウィキも(諸説あるが)1枚とのことです)。ともかく、不遇の天才画家みたいな表現が言い得ているのか・・・と思いつつ、とにかく映像美に期待だ(事実ネットで閲覧できる予告編は圧倒的に美しい)!と勢い込んで、夕方6時過ぎの上映に滑り込んだ。

観てきた第一印象は(ってこれがほとんどなんだけれども)、美しい。すごい映像美。そこに期待をして行ったわけだけれども、そのやや過熱した期待に存分に応えてくれる。いや、はるかにその期待を超越していた。なんと125人もの現代アーティストの手を借りて、ファン・ゴッホ(タッチ)の絵がアニメーション化されている。そもそもファン・ゴッホの熱心なファンではなかった(むしろダリやフェルメールやレンブラント贔屓なのです)僕も、あれ見ちゃうと虜になっちゃう。ホントすごい美しい。
「タンギー爺さん」が語るさま、あの大好きな「夜のカフェテラス」の雰囲気、そして跳ね橋や糸杉や星々が、ファン・ゴッホの筆使い・色使いそのままに、スクリーンを縦横無尽に彩る。正直やられた。ファン・ゴッホの作品のファンにもなりました。

さて、映画なので当然ストーリーはあって、謎めいた(とは知らなかった)ファン・ゴッホの死が、サスペンス仕立てでテンポよく展開する。ダグラス・ブース扮するアルマン・ルーランがファン・ゴッホの最後の手紙を携えて、彼が死を遂げた地を訪れることでいろいろな登場人物が複雑に、でも必然的な自然さとともに物語が続く。
ゴッホは自殺によって命を絶ったものと思っていた僕にとって、このストーリー展開はなんとも目の離せないスリリングな(とは言っても、ホラー映画のような恐怖感は微塵も抱く必要はないのです)ものだ。
でもって、ファン・ゴッホの描いた肖像画たちの生き写しなのか、と言いたくなるほど素晴らしい配役が(ガシェ医師、アドリアーヌ・ラヴー、ジョゼフ・ルーラン、マグリット・・・)見事に絵(アニメーション)に溶け込んでいる。

この手法、いろいろな超有名な天才画家たちの作品群を、同様に現代によみがえらせることが可能ですよね。見てみたいな、ダリやピカソもこうやってデジタルの力も借りてたくさんの名画がアニメーションになって見ることが出来たら素晴らしい。むしろフェルメールみたいに謎に包まれた人の方が、ストーリーには自由度があるかもいしれないですね。そうそう、葛飾北斎も、ぜひこの手法でやって見せて欲しいな・・・!

ふと、現実の世界に戻れば、バブルの頃生命保険会社(安田生命)が58億円でひまわりを落札したことが思い出される。その後もファン・ゴッホの絵はさらに高額で売買された。
で、もう一度史実に戻れば生前、つまりファン・ゴッホが絵描きとして暮らしている間、たった1枚の絵(赤い葡萄畑)しか売れなかった(400フラン、当時の為替が判らないけど、今の為替で換算するとおよそ5万円弱)。
いわゆる超一流の芸術家として世に知られる数多の人たちは、生前その価値を存分に認められないことが多い。作曲家でも小説家でも、そんな例は枚挙に暇がない。そしてたぶん・・・、僕の知らないファン・ゴッホや将来のファン・ゴッホがきっとたくさんいるに違いない。芸術に魂を売った人たち。その人生は、あまりに一筋で健気で気丈で、そしてあまりにも儚く悲しい。